予定外の告白

毎朝チェックしている天気予報によると今日は晴天、降水確率は0%だった。

季節は息が白くなる程冷えきるようになったけれど空を見れば雲一つない、そんな見事な青空が広がっていて、空気も澄んでいた。

「名字さん」

「っ、と、ごめん、びっくりした。おはよう、黒子君」

完全にリラックスした状態で学校への道のりを歩いていた頃背後から声をかけられた。

振り向いてそこにいたのは私がマネージャーをしている部の黒子君だった。

「おはようございます。すみません、驚かせてしまって」

黒子君は私の隣まで来た。
2人で並んで歩いて登校するのは初めてのことかもしれない。
いつものことだけれど彼の髪は今日も元気に跳ねていた。
朝練が終わる頃にはいつもの黒子君に戻るのだ。

「寒いけど天気よくて気持ちいいね」

「はい、ですが寧ろこんなに冷え切っているのに雲一つないのが不思議な...」

彼がそんな言葉を言い終える前だった。
ありえない事が起こったのは。

「えっ、な、なんで!?」

「わ、わかりません、が...名字さん、走れますか?このままでは風邪を引いてしまいますからとりあえず急ぎましょう」

バケツの水をひっくり返したかのような突然の大雨。
空を見てもやっぱり雲なんて全く出ていない。
けれど台風を思わせるような強烈な雨。
まるで理解出来ない状況にパニックを起こしかけたが彼の言葉に頷いて2人で走る。
当然部活で日々鍛えている彼の方が走るのは速い筈だけれど彼は明らかに私を意識して少しペースを落としてくれていた。
やっぱり優しい人だなと内心思った。




「僕、部室のロッカーに予備のタオルを置いてありますので取り敢えず部室に向かいましょうか」

「ありがとう...ごめんね」

学校に着いてそう言ってくれた彼に続いて歩く。
屋根の下を歩きながら鞄の中身を確認してみたけれどもう悲惨なことになっていた。
教科書まで慣れてしまっていて部活用の着替えもびちょびちょで。
今日は体育もないからジャージも持ってきていない。
どうして過ごすかと考えてため息が出た。

「取り敢えず冷えますから、今はまだ誰も来ていないみたいですから部室入って大丈夫ですよ」

「あ、うん、ごめん。ほんとありがと...」

彼に続いて部室に入ったその時、何か視界がぐにゃりと曲がる。
身体がふらついたところを彼に支えられて胸にぶつかり瞬間目を閉じた。

目を再び開けたのは3秒も経っていない、本当に僅かな時間だった筈なのに。

「...ど、どこ?...ここ...」

「...僕にも、わかりません...」

そこは部室ではなくなっていた。
ぐるりと室内を見回した。
違和感がある四角い部屋にベッドのみが置いてある。
本当にそれだけが。
白い壁に床に天井があって、窓一つない、照明もないのになぜか部屋ははっきりとお互いの姿が認識出来る程明るい。

そして1番妙なことはこの部屋に扉が見当たらないことだ。

「...あの...名字さん...これ...」

「...なに、それ...?」

その場から動けずにいた私と違いすぐに室内をキョロキョロと見回した彼が見つけたのは白いシーツの上に置かれていた一枚の白い封筒だった。

「...取り敢えず他に何も無さそうですし開けてみます」

「う、うん...」

彼はそう言って封筒の中身を取り出した。
入っていた紙は一枚。
取り出したその紙を2人で覗き込んで私達は息を呑む。


《裸になって十分に肌を暖めあえば出られます》


その文字を読んで2人して数秒固まってしまったけれど先に正気に戻った彼は持っていた紙をぐしゃりと握り潰してしまった。

「な、なんなんですか、これ」

「...条件を満たせば...出られる部屋、ってこと...?」

そんな馬鹿な、と思いもしたけれどもう既に先ほどからおかしいことが続きまくっているのだ。
扉もないこの部屋からどうやって出してくれるのだとも思うがそもそも扉のない部屋に私達がどうやって入ったのかすら謎だ。
だから実際に何か法則があってその法則に従わなければ出られないのかもしれない。

「...他に方法がない以上、従って、みるしかないのかな...」

「...こんな......取り敢えず...これ、タオル...使ってください...風邪、ひいちゃいますから...」

彼は私にタオルを差し出した。
私が部室に入るより先に自分のロッカーからタオルを取り出していた彼は私にそれを差し出してくれた。
お互いびしょ濡れになってしまっていて、室内もエアコンなんて付いていない冬の室内の温度だ。
自覚した途端身体は震え始めた。

お礼を言ってタオルを受け取ると彼は私に背を向けてくれた。
見ないからその間に拭けということだろう。
それでも恥ずかしさはあったけれど彼の優しさに感謝しながら私も背を向けて体を拭かせてもらうことにした。

水がしたたる程濡れてしまった制服、この上から拭いてしまえばタオルが何枚あっても足りなくなってしまう。
もう一度振り返って彼が背を向けているのを確認してから制服を脱いでタオルで体を拭いた。

「...制服、水絞っちゃってもいいかな...床に水落とすことになっちゃうけど」

「...気にしなくていいと思います」

どちらにせよ身に着けるものは制服しかないのだ。
少しでも水を落とさなければ外に出られるようになった所で動けない。
Tシャツなんかとは違い布は厚いので絞りにくかったが出来るだけ力いっぱいそれを絞って水を切った。
きっとこんな乱暴に扱ってはいけないものだろうけれどもうそんなことを言っていられる場合ではない。

そんなことをしている間に気が付いたら。

「ねぇ、黒子君。ロッカーに予備がってさっき言ってたけどそれって何枚あったの?」

「...残念ながら一枚しか回収出来ませんでした」

「え...じゃあ黒子君まだ拭いてないってこと?!」

「...はい、なので嫌だとは思うのですが名字さんが拭き終わったら僕にもそれ貸してください」

驚いて思わず後ろを振り向いてしまえば彼は背を向けたまま学ランとシャツを脱いでいてそれを絞っていた。

「ごめんなさい!早く拭いて!」

濡れたタオルを目一杯絞って彼の肩にタオルを掛ければありがとうございます、と言ってこちらは振り返らずにタオルを受け取った。
水気は切れたものの髪は当然濡れているしとにかく寒い。
ベッドはあり敷布団はあるのにかけ布団はない。
これは出る為の条件を満たす為に、ということなのだろうか。
だとしたら本当にタチが悪い。

「...ねぇ、黒子君」

「はい」

それを言葉にするには勇気がいった。
それでもこの状況での他の打開策は浮かびそうにない。

「...本当かどうかも分からないけど、取り敢えず条件ってやつ...やってみるしか、ない...かな...」

黒子君はぴたりと動きを止めた。

「...そう...です、よね......残念ながら僕にも他の打開策が思いつきません...」

気まずい空気が流れた。
数秒の間お互い黙り込んでしまう。
その間と冷える身体、もうあれこれ言っていられない。

「...黒子君!私、その...全部脱ぐから...!黒子君もそうして、そのまま後ろ、向いててくれる...」

「...わかりました」

彼が同意した後私は身につけていた下着も全て脱ぎ捨てて本当に裸になった。
後ろで彼も同じように脱いでいる事が後で分かった。

「...あの、すみません、貴方にばかり恥ずかしい思いをさせて申し訳ないのですが...僕はこのまま後ろを向いていますので後ろから抱きついて、もらえますか?」

「...ううん、寧ろありがとう。沢山、気を使ってくれて...」

彼の気遣いに感謝しながら私はおそるおそる彼の背中に身体を寄せた。
ゆっくりとお腹に手を回してしっかりと抱きついて。
当然異性と、同性とすら裸でこんなに密着したことなんてない私にとっては顔から火が出そうなくらい恥ずかしくて。
黒子君の身体は私よりずっと硬くてそれが彼が男性なのだということを強調して更に羞恥心を煽った。

「......なにも、起こらない、ね...」

「...条件を満たしていない、ということなのかもしれません。...裸で暖め"あう"、でしたから...」

これでは私が一方的に、ということになってしまっているのかもしれない、と彼は言った。
もうここまでやってしまっているのだ。
後には引けない。

「.....黒子君、ずっとこのままじゃ困るから...黒子君も私のこと...」

言葉にするには恥ずかしすぎて、全てを伝えることはできなかった。
それでも彼は言葉の先を理解したようで彼のお腹に回した腕の力を緩めるとゆっくりと振り返り私を抱きしめた。

「っ、す、すみませんっ...!」

密着した身体、お腹に硬いものがあたる。
それが何か分からない筈がない。
視線を落とす事なんて出来る筈もなく上を見れば見た事ない表情の彼と目が合った。

「...お、男の子だから、そのっ...仕方ないって、いうか...」

「...いえ、その...確かに、確かにそれはそうなんですが...違うんです...」

黒子君は私から視線を逸らしてよりいっそう強く私を抱きしめた。
こんなに強く抱きしめられては私の心音まで聞こえてしまうのではないかとドキドキしてしまう。
だがそれは次の瞬間彼の放った言葉によって更に加速させられてしまった。

「...すみません、その、...こんな、こんな状況で言っては、怖がらせてしまうと思うのですが......僕、貴方の事が、...好きなんです...!」

「......え?」

彼の必死な様子にそれが嘘や冗談で出た言葉とは思えずただただ彼を見た。

「毎朝部活でおはようと言ってっ、たまに途中まで一緒に帰って...ちょっとした冗談を言ったり、そんな、そんな些細なことが本当に幸せだと感じられる程貴方の事を好きで...!」

私より赤いのではないかと思う程彼の顔は赤く染まっていて、そんな彼を可愛いと思った。

「こんな、こんな形で伝えるつもりなんてなかったのに...!...すみません、僕、っもう...!」

彼はそう言って噛み付くように私の唇にキスをした。
私にとってこれは当然初めてのキスだった。
驚いて離れようとしたけれど彼は私の頭を押さえつけていてそれを許さない。
彼の舌が強引に私の口を開かせてそのままぬるりと口内に舌を挿入された。
そしてそのまま私の舌を絡めとられた。
激しい彼のそれに腰が抜けそうになりながらも必死で踏ん張った。

上手く息が出来なくてせめて顔を逸らそうとしたって彼はそれを許してくれない。
頭がおかしくなりそうだった。

「......責任を、という言い方この状況において正直よくないとは思います。...でも、一生貴方を大事にすると約束しますから、だから...このままベッドに連れて行ってもいいですか?」

やっと口が解放され、乱れた呼吸が整う前に彼に伝えられた言葉。
頭は先ほどよりも上手く回らない、それでも。

「...こんな、状況で...黒子君だけが1人で責任を感じる必要なんてない...よ...」

そう返事をしたのは私自身彼のことを好きだったからこそだ。
私がこんなに心を乱しているのは先ほどのキスのせいではない、彼に好きだと伝えられたからだ。

もしかしたら彼の言葉が真実ではない可能性もある。
こんな状況で、興奮して、ただそれを満たしたくて咄嗟に口から出てしまった言葉なのかもしれない。
そうだとしたらそれはとても悲しいけれど、こんな異常な状況でずっと私を気遣い、真摯に接してくれた彼だ。
たとえ嘘だったとしてもそれを責めることは私には出来ない。

もっともそう自身を納得させようとするのは彼の事が好きだから、それだけが理由かもしれないけれど。

「...行こう、...黒子君」

彼の首に抱きついて私の方からキスをすれば彼の身体がびくりと跳ねた。
先ほどあんなに激しいキスをした後だというのに。

そんな彼が愛しくてたまらなかった。






「...すみません、実は言っていなかった事があるんです」

「...なに?」

「...実はこれも封筒に入っていました」

彼が先ほど条件が書かれた紙が入った封筒から取り出したものはなんとも露骨なソレだった。

「...最初からこういう事をしろと、言われてたってこと、なんだね...」

「...すみません。僕本当にここまでしなくても、なんとかならないかって沢山悩んだんですけど代案が見つからず...それで貴方の身体に触れてもう...抑えが効かなくなってしまいました...」

優しくベッドに押し倒されて再び合わせられた唇。
先程よりもずっと優しいキス。
胸がぎゅっとなって、なんだか恋しくて彼に抱きついた。

「さっきは責任が、なんて言い方をしてしまいましたが今こうして貴方に触れることにたいする義務感から出た言葉では、けしてありません...」

「っ...ん...」

先程より落ち着いた様子で彼は再び私の唇を舐めて優しく甘噛みした。

「本当に貴方のことが好きだから、だからずっと一緒にいたいという気持ちから出た言葉です」

ちゅっと音を立ててもう一度吸った後再び口内を舌で探られる。
身体が中心からむずむずするような、そんな感覚。
きっとこれはそういう事なのだろうと考えると心臓の鼓動が更に大きくなったように感じた。

唇は触れ合ったまま彼の手が二の腕に触れた。
その手は何度か腕をさすった後鎖骨あたりをゆっくりと撫でて、胸への移動した。
寒さのせいもあって痛いくらい硬くなった頂に彼の手が触れた瞬間わずかに身体が跳ねてしまった。

彼は顔を上げ、そのまま顔を胸まで近づけてそこを口をつけた。
口内と同じように舌がそこを張って、触れて優しく歯を立てられた。

「っ、く、っ黒子、くん...っ」

どんどん熱くなる身体に彼の濡れた前髪が触れて、先ほどまで感じていた寒さをもう身体は感じなくなっているというのに身体の震えが止まらない。

「...可愛いですよ...凄く...もっと見せてください」

彼はそう言って今度は逆側の胸に吸い付いて、片方の手は胸を揉みしだいて、ぐにぐにと親指でこすられた。
痛いような、少し気持ちがいいようなぴりぴりとした感覚に更に身体がむずむずとしてそれが気持ち悪くて太ももを擦り合わせた。

「...感じてくれているみたいで嬉しいです」

彼は私の太ももをさすりながら微笑んだ。
私の好きな柔らかい笑みの筈なのになんだから今日は少し不思議な感覚があるのは彼の目のせいだろうか。
優しい声色をしているはずなのにどこかギラギラしているように見えた。

「触れてもいいですか?」

彼はそう訊ねながらお腹に唇を寄せた。
先ほどと同じようにねっとりと舌を這わせながら、弄るように、確かめるように。

「...」

再び私を見た彼に向かって一度首を縦に振れば彼は私の脚を開いてその間に座って私を見下ろした。
彼から丸見えになってしまっている状況を恥ずかしく思いながらも彼の身体が邪魔をして脚を閉じる事が出来ない。
まるで赤ちゃんがオムツを代えてもらう時のような体勢。

「〜っ、そ、そんなに見ないで...っ!」

「すみません、そのお願いは聞いてあげられないかもしれないです」

彼はそう言うと今度はソコに顔を近づけそのままそこな舌を這わせた。

「っ、やっ...、そ、んなっ...〜あっ...っ!」

胸を舐められた時とはケタ違いの刺激に電気のような感覚が身体を襲う。
じっとしていられなくて逃げようと腰が引けてしまうが動けぬよう彼に下半身をがっちりと固定さらてしまった。

「っく、ろこぉ、くんっ...やぁ...っそれ、なん、かっ...!変に、...なるっ!」

下腹部を何か浮遊感のようなものが押し寄せて、たまらず彼の髪を掴んでしまうが彼は更に激しく舌を動かした。

「っ....あっ...!なんか、あぁっっ...だめ...っ!!」

何が起こったのか理解出来ないまま何かが吹き出したような感覚。
腰がガクガクと震えて下腹部がどくんどくんと痙攣のようなものを起こして。
彼がソコをもう一度ペロリと舐めれば自分でも驚く程大きな声が出て身体が跳ねた。

「...可愛いですね、ほんと...もしかしなくてもイッたのってこれが初めてですよね?」

可愛い、可愛いと何度も言いながらかれは私の太ももにキスをした。
時々ちくりと痛みが走るのは彼が噛み付いているのだろうかと考えたけれど身体が驚く程怠く確認することが出来ない。

「...僕は何度も名字さんで達した事があるんですよ」

彼はそんな恥ずかしい事実を告白してゆっくりと指を中へと差し込んだ。
クポリと音を立てて彼の指を飲み込んだソコは自身でも全くと言っていいほど触れたことがない場所。
十分すぎるほど潤っていたせいか痛みはないけれど妙な圧迫感はあった。

「すごいですね...あったかくて、きつくて...こんなところに入れたら...全然持ち堪えられる気がしないです、ね...」

彼の指が探るように中を擦って、私がぴくりと反応したのを見ると彼はそこばかりを集中して刺激し始めた。

「っ、くろぉ、こく、んっ...なんかっ、そこ、苦しい...っ、んんっ...!」

「苦しいだけですか?」

彼は一度引き抜いた指を再び挿入した。
今度は2本。
圧迫感は更に増したけれど先程体験したことと同じような感覚に近いものが身体を襲う。

「こんなに濡れて...嬉しいです」

お尻の下の方まで何かが伝う感覚はあった。
まるでお漏らしでもしてしまったかのようなそれが恥ずかしくて顔を隠せばすぐにその手を剥がされて片手で抑えつけられてしまった。

「貴方の感じている顔、ちゃんと見たいです。見せてください」

「〜っ!」

再びじわりと中から溢れ出た感覚。
もう頭がおかしくなりそうだった。
早くどうにかしてほしいと願いを込めて彼の顔を見れば目が合った黒子君は生唾を飲み込んだ。

「...すみません、僕、もう限界みたいです」

彼はそう言って先程封筒に入っていたゴムの封を切り自身に装着した。
男の人の、ましてやそんな状態のソコを見る機会なんて今まで無かった。
想像よりずっと大きく立ち上がったソコを見てしまい私は慌てて目を逸らした。

「...多分、痛い思いをさせてしまうと思います。」

彼は私のソコにぴたりと自身を押し当ててそう言った。

「出来るだけ優しくします。...ただ僕も経験がないもので...すみません、自信を持って安心してくださいと言葉に出来ません」

彼はそう言い終えると一度呼吸を整えてゆっくりと私の中にソレを押し進めた。
指とは全く違うその質量にまるで身体を割られるような感覚を味わった。

「っっ...!!」

初めては、下手をすれば暫くの間はとにかく痛いということを知識としては知っていた。
それでもその痛みを上手くイメージ出来ていなかったのだと今身を持って知った。

「っ、すみません...もう、もう少しですから...」

そう言って更に奥へと押し込まれたところでようやく全て収まったらしく彼は息を吐いた。
額には汗をうっすらと汗をかいていた。

「...黒子君も、もしかして痛い?」

自分にはついていなくとも敏感な部分であるということは知っているしそれを無理に押し込んでいるとなると彼にも負担があるのかもしれないと思いそう訊ねてみたけれど彼はそれを否定した。

「いえ...痛い、とかではないのですが、とにかくきつくて、...なんというか、その、搾り取られそうというか...ヤバいです」

「...そっか...」

彼の額に張り付いた前髪を手ではらえばその手を取られ頬を触れさせた。

「...今本当にヤバいんで、あまり可愛いことしないでください」

今彼はどこに可愛さを見出したのだろうかと疑問を抱きながらも頷いた。
黒子君は目を閉じてもう一度、先程よりもゆっくりと息をはいた。

「慣れるまでじっとしておくといい、らしいので...少しこのままで...」

「...黒子君は、その...大丈夫?」

「......全然大丈夫じゃないです」

私を見下ろすその表情はとても辛そうで。
でもこんな顔をして耐えてくれているのは私の為で。

「...黒子君......すき...」

「ちょっ、と今っ...!本当にやめてくださいっ!」

自分でも殆ど無意識だった。
気付けば口に出てしまっていた言葉。
私の中で彼のソレが動揺するかのように一度大きく脈打つ感覚が伝わった。

「...いいよ、もう、十分だから。
...今度は黒子君にも気持ちよくなってほしいよ...」

そう言って彼の頬を撫でれば彼は今にも泣き出しそうな、そんな顔をした。

「...優しく、目一杯優しくしたいと思っていたんです...でも、すみません、ほんと、余裕なくて...!」

彼はそう言って私の口を自身の口で塞いで腰を打ち付けた
私を強く抱きしめて、打ち付けられる瞬間時々歯が当たってしまうような先程とは真逆の荒々しいキス。

「っ気持ちっ、よくてっ...!良すぎてほんと...っ、ヤバいで、すっ...!」

出し入れする度ぐちょぐちょと音を立てる。
鈍い痛みはあったけれどそれほど苦痛に感じなくなってきたのは中が十分に潤っていたからだろうか。

痛いけれど必死に、縋るように私を求めて荒々しく動く彼を見ているとどこか気持ちよさのようなものも感じるようになってきた。

「名字さん...、名前っ、さんっ...!」

「っ!」

突然彼に名前を呼ばれた瞬間自分でも中がきゅっと締まる感覚を自覚した。
彼は小さな声を漏らし私を突き上げる速度を上げた。

「っ、はぁっ...、すみま、せんっ...で、ます...!」

彼がそう言った直後肌に彼の爪が食い込む程キツく抱きしめられ、私の中で彼のモノがびくんびくんと痙攣のようなものを起こした。
荒い呼吸を繰り返す彼を見て彼が達したのだということを理解した。
身体にかかる彼の体重が無性に心地よくて、ずっとこうしていたいなどと考えた。

「...ありがとう、優しくしてくれて」

彼の頭を撫でながらそう伝えれば彼は顔を上げて頭を横に振った。

「...全然、優しくなんて出来なかったです」

身体を起こして中から自身を引き抜いた。
達したことにより先程より下を向いたそれからゴムを外し、中身が溢れないよう縛ったけれどこの部屋にはベッド以外何もない。
それに気付いた彼は困った表情で固まってしまった。

「...別にこんな場所、ですし適当でいい、ですよね...」

「...う、うん。いいと思うよ」

彼は私の同意を得たあとそれを放った。
普段の彼であればありえない光景だ。
でも多分今はもう何も考える気力が残っていないのだろう。
そんなものにはもう目もくれずに彼は私に向き直り抱きついた。

「...ありがとうございました。...1人でする時なんかとは比べ物にならないくらい。想像よりずっと気持ちよかったです...大好きです、名前さん...」

「...よかった...うん、私も、ね...黒子君の...テツヤ君のこと...大好き、だよ...」

2人抱き合ってキスをして、そんなことをしていたら私達はいつの間にか気を失ってしまっていた。

それに気付いたのは肩を揺さぶられて誰かに起こされた時だった。







「黒子!名字!お前らこんな寒い中なんで部室で寝てんだよ!」

私達にそう声をかけたのは日向先輩だった。
上手く働かない頭で違いの顔を見てそこから一気に意識が覚醒し、慌てて自分の身体を触って確認した。
しっかりと制服を着て、鞄も制服も濡れてなどいなかった。
白昼夢でも見ていたのかと思いもしたけれど彼の反応は明らかに私と同じく動揺していた。
そして彼は私のを見てその視線が下を向いた直後顔を真っ赤に染めた。

私もつられるように彼の視線の先を見ればその光景に声をあげそうになった。

うちももにいくつも付けられた赤いその花弁に。

下腹部はなんだか違和感があるし腰も痛みを感じる。
自身の身体が先程の出来事は真実だったと訴える。

「...とりあえず朝練始めっから、悪いけど名字は部室でてもらえるか?着替えっから」

「は、はい!すみませんでした!」

日向先輩にそう言われて私は慌てて部室を出た。
もつれそうになる足で必死で踏ん張って。
この後朝練で一体どんな顔をして彼と向き合えばいいのか、と考えながら。
彼も大丈夫だろうか、と心配になったけれどその日彼は明らかに普段以上のトレーニングノルマを課せられ吐きかけていた。

それを見て日向先輩にはもしかしたらあの不思議な空間のことはともかく私達が何をしていたかバレてしまっていたのではないか、と想像してその日私の顔はいつまでも経っても熱がひくことがなかった。












(キャ、キャプテン...!も、う...死に、そうです...!)

(おうおう、でもお前今日は元気有り余ってんだろ?気付かねぇとでも思ってんのか黒子くぅん?)



end