焦らされて

咄嗟の言葉だったとはいえ私はなんて事を言ってしまったのだろうと今更になって後悔した。
今日は練習がお昼からで、終わるのは普段とそう変わらない時間。
だから部活の前に、と彼に提案した。
その週の平日は部活が終わる時刻にはお互い両親が既に帰宅している時間になってしまうからという理由で。

今週は彼から向けられる視線が痛くて仕方なかった。
授業中も頻繁に視線を感じ何度も振り返ってしまいそれが先生にバレて注意されてしまったこともある。

「名前さん...今日が来るのが凄く遅く感じて、時の流れが変わってしまったのかと思いました」

大袈裟すぎる物言い、でも彼の様子を見ていた私からすれば彼がそれを本気で言っているのが分かる。
学校でもすこしでも2人っきりになるととにかくくっついて時々セクハラ紛いの事をされ。
まるで獣のような視線に晒されて。
私の方もおかしくなりそうだった。

だから今日が来て少しホッとした気持ちもあった。
でもそれは家にやってきた彼の顔を見てガラリと変わる。
彼はここまでその顔を隠さずに来たのか?と心配になる程熱っぽい表情をしていたから。

玄関を開け、彼を招き入れて扉を閉めるなり顔を掴まれそのまま唇を押し付けられた。
今日はもう家に私達以外誰もいない。
それでもこんなところで、という気持ちが湧いて彼の胸を押してみたものの頭を抑えつけられてより深いキスへと移行した。

軽いキス程度であれば基本的にほぼ毎日数回していた。
なぜか彼は学校で2人きりになれる場所を見つけるのが異常に上手くいつもそこに誘導されては抱きしめられたりキスをされているからだ。
でも今週に限ってはそれはいつもより少なかった気がする。
予定が狂って拗ねているのかとも思いはしたが今その原因が分かった。

制御出来なくなってしまうということを彼は分かっていたのだ。

彼の深いキスにだんだん頭がぼんやりとし始め立っているのが辛くなった頃ようやく彼は唇を離した。
私を見つめる瞳は依然変わらぬまま。

靴を脱ぎ玄関を上がり私の腕を掴んで部屋へと進む彼。
既に何度も来ている為家の間取りなんてある程度把握している。
それでも私より先に家の中を歩き回るなんて普段の彼であれば絶対にしない。
暴走しがちなところはあれど人としての常識はきちんと備わっている。
とくに私の両親に対して彼は本当に誠実な態度をとってくれていた。
いずれ僕の両親になる人ですから、なんて平然と言ってのけるのだから本当に恐ろしい。

「少ししゃがんでください」

私の部屋に入るなりすぐにベッドに腰掛けて彼は私を自身の前に立たせ服の裾を握った。
普段であれば部屋に入るなりこんなに早急服を脱がされることはない。
それほど今の彼に余裕がないのだろう。
彼に言われた通り腰曲げればそのまま服を脱がされた。
ワンピースを着ていた為既にもう下着だけの状態だ。
そのまま背に手を回し下着のホックを外しそれさえも早々に取り払われそのままスムーズにショーツも脱がされ丸裸にされてしまった。
そんな私を膝に向かい合う形で座らせた彼は再び私にキスをした。
がっちりと腰を抱いて。
まだキスしかしていないというのにきっちり服を着たままの彼に自分だけが裸にされ抱きしめられているという状況に身体がまるで酔ってしまったのような錯覚を起こし身体は熱を持ちお腹の下の方がぞくぞくしてぎゅっと収縮した。

もどかしさにいたたまれなくなってぎゅっと彼の首に抱きつくと与えられるキスはさらに深いものとなっていく。

「すみません」

彼は一言謝ってから私をベッドに寝かせて自身も服を脱ぎ始めた。
一枚一枚ゆっくりと、焦らされているかのように感じるのは私だけなのだろうか。
全て脱ぎ終えた彼は私の上に覆い被さり再び唇を合わせた。

「シチュエーション的には興奮したんですけど、ジャージ濡らしちゃいそうだったので」

彼はそう言って膝をそこに擦りつけた。
恥ずかしい程既にそこはもう濡れていた。
この後そのまま部活に出る為学校に行くので彼は部活用のジャージを着てうちに来ていた。

「これでもう安心ですね。我慢せずに沢山感じてください」

耳元でそう囁いて舌を這わされた。
腰をゆっくりと撫でたあとその手は胸に触れる。
頂を親指で撫でて硬くなっていることを確認した彼は口角を上げた。

「可愛い」

口に含んで舌でころころと遊ばれて、もう片方は指できゅっとつままれては弾かれて。
徐々に心拍数は増して息が荒くなっていく。

こういった事をするのは久しぶりなせいか私もいつも以上に感じてしまっている自覚がある。
触れられていないのに疼くソコ。
もうとっくに濡れているというのにまだ触れられずもどかしさは増していく。

「...テツヤ、くん...」

無意識的に私の胸を愛でる彼の髪を掴めば彼は顔をあげにこりと笑って再びキスをした。
彼とするキスは大好きだけど今はそうじゃない、ともやもやしたがこれはこれでうっとりする程気持ちがいい。

でもやっぱり足りない、そう感じてしまい私は彼のソコにそっと触れた。
彼は小さく声を洩らした。
私のことなんて言えないくらい彼のそれも硬く立ち上がっていた。
軽く握って上下に擦れば彼はうっとりと気持ちよさそうな顔をした。

「今日は積極的ですね...」

彼はまた濃厚なキスをする。
唇が腫れてしまうんじゃないかと思うくらい今日の彼は沢山キスをした。
彼はものを握る手に力を入れ更に擦れば彼は私の胸に触れていた手をゆっくりと下に下げていく。

太ももを撫でそこから内側に、そして敏感なソコをツーっと指で撫でて。
そこを上下に優しく撫でられればそれだけで達してしまいそうになる程の快感が身体を襲った。
それに耐えられなくなって彼に抱きつけば再び耳元で囁かれた。

「我慢していたの僕だけじゃなかったようで嬉しいです」

くにくにと指で押され擦られて、自身から出たそれを塗りたくってでぬるぬるになったソコは彼に触れられる度に気持ちよくて仕方がない。
そんなことをされながら再び耳の中を舐められたと同時にあっさりと達してしまった。

びくびくと痙攣のようなものを起こしたあと更に中からじわりと溢れでた感覚に気付き心音はどんどん早く大きくなっていく。

「いっぱいシてあげたいんですけどどうせなら僕のモノで気持ちよくなってほしいです」

彼はそう言ってぐちょぐちょになった中を指でかき混ぜた。
彼を受け入れる準備なんてもうとっくに出来ていた。

私は再び彼のモノに触れて少し強く握った。

「...もう、お願い...欲しい、の...」

私のおねだりに彼は生唾を飲み込み身体を起こした。
そしていつの間に用意していたゴムを自身に装着して私のソコにあてがった。

「すみませんが今日は色々と抑えがききそうにないです」

「っ...」

中に押し込まれる瞬間、何度経験してもなれないこの違和感が最近ではもう気持ちいいとさえ思うようになった。
きっと身体が覚えているのだろう。
これからやってくるそれを。

「ここまで濡れてるの、初めてじゃないですか?
めっちゃヤバいんですけ、ど...」

ニヤけそうになるのを必死で我慢しているような顔で彼はそう言って目を閉じ一度呼吸を整えた。

「...名前、さん...」

名前なんて毎日呼ばれている筈なのに、今こうして繋がっている瞬間、求めるように呼ばれてしまい私のソコはまたきゅっと収縮してしまう。

「っ、もう...無理です...!」

彼は堪えきれず腰を動かし始めた。
太ももを抱くように抱えて、私の気持ちいい場所を執拗に狙って。
耳を塞ぎたくなる程の水音と肌のぶつかる音が彼としている事を強く私に自覚させようと訴えている。
お互い愛し合っている上での行為を誰にも責められる謂れなどないというのに。
時折り感じる罪悪感はまだ私が学生だからだろうか。
それでも知ってしまった今互いに求めるのをやめられる気がしない。

「っあ...っ...ご、めんん...っなさ、いっ...!
ま、たぁ...すぐっ...いっちゃい、そう...ああ...っ!」

「っ、我慢、しないでください...、...いっぱい、可愛い貴方を見せてほしい、です...!」

うっとりとした表情で激しく腰を打ち付ける彼。
彼自身も感じているのがよく分かる。
恋人のそんな顔を見てしまえば興奮するのは彼だけではない。

彼を求めて顔に手を伸ばせばすぐに覆い被さってキスをしてくれた。
それでも彼の腰は動き続けていて時折り歯があたる。
舌を噛まないよう口を開けば口からどちらのものかも分からない唾液が頬を伝って落ちていく。

「も、ぉ...む、り...っ!!」

再び身体を突き抜けた大きな波に身体は流された。
彼も同様に限界を迎え私のそれに続くように吐き出して、瞼をきつく閉じてわずかに震える唇。
中でどくんどくんと脈打つ感覚。
再び目を開けた彼は本当に蕩けきった顔をしていた。
でもきっとそれは私も同じだと思う。

彼はちらりと時計に視線を向ける。
出したすぐのそれは情緒はないかもしれないけれどそれは必要な事だったから仕方のないことだろう。

「...あと1時間後にはシャワーを浴びて、準備をして部活に行かなければいけないんですけど...」

「...うん、そうだね...」

私を見つめる瞳はまだ熱を帯びている。

「...ぎりぎりまで、もっと貴方と繋がっていたいんですけど...駄目ですか?」

縋るような目でそう言って頬に唇を寄せる。
私がそんな彼を拒むなんてあり得ないというのに。

「いいよ、...勿論。
...私ももっとこうしていたい、から...」

ぎゅっと彼に抱きつけば私の中に入ったままのそれが2人びくりと脈打った。
一度萎んだそれはすぐにまた硬くなって私の身体を熱くした。

「...うっかり遅刻しないように気をつけないといけませんね」

名残り惜しそうに彼は一度自身を引き抜いて新しいゴムを取り出した。
使用済みのそれの中身が溢れないよう縛る所を見てそこに吐き出された彼のものを見てしまった私は恥ずかしくて顔を逸らした。

「僕、貴方に出会うまではわりと淡白な方だと思ってたんですけど、...全然そんなことなかったです」

再び繋がってそんな事を言われた私は何も返事をすることが出来なくて、ただただ彼を抱きしめた。












(...名前ちゃん、悪いんだけど今日は裏で雑用お願いしてもいい?)

(...す、すみません)

(いやまぁ黒子君は物凄く調子よさそうだしいいんだけど...今の名前ちゃんはちょっと他の子達にはちょっと毒だから)

(ど、毒、…?)

(まぁぶっちゃけ纏ってる空気みたいなのがなんかヤバいのよ。
女の私でも分かるくらい)


end