「気持ちいいです」
「...それどっちの意味で言ってる?」
約束通り彼のお風呂に入ることになった。
半ば強引に隅々まで彼に身体を洗われて、しかもスポンジなどは使わずに全部手で洗うものだからくすぐったいやら恥ずかしいやらで色々と大変だった。
仕返しをしようと私も彼の身体を洗ってはみたものの当の本人は寧ろ楽しそうな表情をしていたので心が折れてしまった。
全て洗い流して2人で湯船につかる。
後ろから彼は私を抱きしめて肩に顎を乗せている。
お腹や太もも、胸をむにむにと触る彼に最初は拒んでいたけれど彼の『僕誕生日なので』という魔法の呪文を唱えられてしまったせいで私はそれ以上抵抗することが出来なくなってしまった。
「両方です。結婚したら毎日一緒に入りたいです」
「け、結婚って...」
はっきりと言葉にした彼に動揺を隠せない私はドギマギとしてしまう。
多分はしゃいだカップルが結婚を口走るなんてよくある話なのだとは思う。
でも彼は多分本気で言っているのだということが分かっているからこそ、だ。
「心配しなくてもその時改めて申し込みますよ」
「いや、そういうことじゃなくて...」
彼と会話が成り立たないことはよくある。
彼と私では思考回路が全然違うのだ。
そんなのは当たり前のことかとしれないけれど。
「将来僕と貴方の間貴方に似た女の子が生まれたら心配で仕方ないので出来れば最初の子供は男の子がいいです」
「そ、そんないきなり、ま、まだそんなの先の話でしょ」
どんどん未来の話を膨らませる彼に動揺しながらもなんとか落ち着かせようとするも彼を止まる気配がない。
「とは言ってもご縁の問題ですから、もし子供が生まれずとも貴方と2人で歳をとっていけたら幸せです。
あと子供を作るとしても暫くは貴方と2人きりでいちゃいちゃしたいです」
彼はそう言って私の頬にキスをした。
本当に敵わない、この人には一生。
それを再度実感させられた私に、今度は耳に唇を寄せた。
「勿論今も」
「っ...」
耳元でそう囁いて舌で耳の中を舐められた。
反射的に前のめりになった身体。
でも彼に両方の二の腕を掴まれ引き戻された事で背中は彼の胸にぶつかった。
水面が大きく波打って顔にお湯を浴びてしまい少し飲んでしまった。
「大人しくしていないと危ないですよ」
彼は私の身体を抱きしめ肩に歯を立てた。
それ程強く噛まれたわけではないのでさして痛くはないけれどそこを噛んでは舐めてを繰り返しながら手は胸に移動した。
「気持ちいいんですよね?」
きゅっと指で摘まれ弾かれた。
お尻には彼の硬くなったものが触れていて、このままではここで、と不安になった時。
肩がずしりと重くなって先程まで私の胸を弄んでいた彼の手が下に落ちた。
「...テツヤ君?」
不安になって振り返り彼の様子を確認した。
彼は私の肩にか顎を乗せ空な目をしていた。
「ど、どうしたの?!」
「...すみません...ちょっと、のぼせちゃいました...」
そう言った彼の顔は真っ赤になっていて、私は慌てて立ち上がり彼の腕を掴みなんとか立ち上がらせ彼を浴室から連れ出した。
ふらつく彼の身体をなんとか拭いて服を着せ私も慌ててTシャツとショーツだけを身につけ彼を支えてソファーへと連れていった。
「お水とってくるから、取り敢えず座って」
「...はい」
彼は素直に私の指示に従いソファーに腰をかけた。
手と足はだらりと放り出した状態で、そんな彼を見て慌ててキッチンにお邪魔して洗って伏せてあったコップを借りそれに水を注いで彼に手渡した。
彼はそれをゆっくりと飲み干してほっとため息をついた。
「大丈夫?取り敢えず横になった方がいいよ」
「...名前さんの膝枕がいいです...」
そんなことを言い始めた彼を見てまぁ普段通りの彼だと少し安心してしまった。
でもまだ顔は火照っているし明らかに辛そうだったので私は彼のお願いを受け入れることにしてソファーに座り太ももをとんとんと叩いた。
彼は横になって私の太ももに頭を乗せた。
当然髪をしっかり乾かしている余裕などなかったので少し冷たかった。
「...ごめん、やっぱりちょっと待っててもらってもいい?
足冷たいから下履きたいんだけど、テツヤ君が貸してくれた部屋着Tシャツだけだったから短パンか何か借りたいんだけど...」
「...彼シャツって、実は憧れていたんです...」
テツヤ君はそう言って私を見上げた。
「裸に僕のTシャツだけって、いいなって...」
彼の家に出向く際パジャマは貸すので持ってこなくていいと言っていた理由を明らかにされ、そのあまりのくだらなさに内心呆れてしまった。
「...でも寒いんだけど」
「...早く貴方のこと暖めてあげたいんですけど...すみません、もう少し待ってください」
会話になっていない。
意地でも貸すつもりがないということを理解した。
「...どうしても欲しければ僕が履いているもの脱がしてとってもいいですよ」
「...後でそうさせてもらう」
「そうですか...太もも、気持ちいいです...」
ごろんと私のお腹の方を向いて頬を太ももに擦りつける彼はもうすっかり普段の彼に思えた。
まぁ元気そうである意味良かったのだけれど。
「いい匂いです」
「今はテツヤ君も同じ匂いがすると思うけどね」
彼の家のお風呂で身体を洗い彼の服を着ているのだから当然だろうと思いながら頭を撫でた。
「それはそれで嬉しいんですけどそれだけじゃなくて、貴方自身から香ってる匂いみたいなのがあるんです」
そう言って彼はお腹に顔を押し付けて匂いを嗅いだ。
もう慣れたものだけれどさすがにこの状態でその位置は少し恥ずかしくて彼の鼻を手で覆った。
「...だめ」
「...名前さんにだめって言われると寧ろもっとしたくなっちゃうんですよね。
そろそろ元気になってきました」
彼は起き上がって私の隣には座り直した。
そして再び手を握る。
「ご迷惑おかけしました。
今日は沢山頑張りますので、ベッドに行きましょうか」
「...別に頑張らなくていいけど、分かったからその前にもう一回水分補給してからね」
はい、と素直に返事をして水を飲みに向かう彼の足取りはしっかりしていた。
もう大丈夫なのだろうと判断してほっと一息ついた。
彼が元気になった今寧ろ心配しなければいけないの自分の身の方だ。
なんせ彼は自分で言った事は必ず成し遂げる人なのだから。
「普段僕が着ているTシャツだというのになんだか今日は特別なものに思えます」
ベッドに組み敷かれ顔中にキスをされた頃には先程感じていた寒さなんて忘れてしまっていた。
みんな本当にこんなにキスをするのだろうか?と疑問になる程彼はキスが好きだ。
唇が腫れているのではないかと気になって触って確かめてみればその手を優しく退けられ再びキスをされた。
「それ、凄くそそられます」
「...テツヤ君のツボが多すぎてわかんないよ」
彼は薄く笑いながらTシャツの中に手を忍ばせる。
「そうですね、まぁでも...貴方のことはもう存在自体が、と言っても過言ではないと思います」
脇腹を撫であげながら胸まで登って、ぐにっと胸の頂を親指で摩る。
小さく声を洩らせば彼はTシャツを上まで捲りあげて胸に吸い付いた。
「下着を着けていなかったのでさっき膝枕をしてもらっていた時もここが気になって、触りたいの我慢していたんです」
舌先でころころと転がすように舐めながら彼はそう言った。
そんなこと言わなくていいと考えながら彼の髪を撫でれば視線だけこちらに向けた、所謂上目遣いという状態で。
「(かわいい)」
その言葉が自身が言われるのはあまり好きではない彼に心の中で呟いた。
でもそんなことは彼にはバレバレなようで。
「貴方が今何を考えているかなんて顔を見ればすぐに分かりますよ」
カリッとそこに歯を立てられた。
勿論本気で、というわけではないけれどそれに顔を歪めれば意地悪な笑顔を浮かべて下の方に下がっていく。
胸の下や脇腹、お腹におへそと余すことなく唇を押し付け時には吸ったり舐めたりして。
まるで猫の毛繕いのように満面なく。
「名前さんは素直ですからね」
下着を私の足から抜き取ってそのまま太ももを掴み大きく開いて既に興奮して腫れているソコにちゅ、とリップ音を立てて吸い付いた。
「んっ...!」
「お風呂で既に濡れてましたもんね。
待たせてしまってすみませんでした」
割れ目を指でなぞりながら舌でちろちろと敏感なソコを刺激され、じわりと中から溢れる感覚に身震いしそうになった。
くちゅりと浅く指を入れ、掻き出すようにして彼はそれを舌で掬ってソコに塗りたくった。
いつも思うが彼は一体どこでこんなことを覚えてきたのだろうかと不思議に思う。
私同様に初めての恋人だというのに。
ただでさえ気持ちよくて仕方ないのに自身から出たそれを塗りたくられてぬるぬるになったそこを舐められてしまえばもう耐えきれない。
「いいですよ、我慢しなくて」
「あ...っ、っ、てっ、つや、くん...っ、だめ...っ!」
私がもう限界なのだろうと察した彼が激しく舌を動かしたことにより呆気なく達してしまった。
彼は身体を起こして私の頭を撫でた。
「イクときに僕の名前呼ぶのめちゃくちゃ可愛いくてヤバいんですけど、もしかして狙ってやってますか?」
そんなつもりは勿論なかった。
違うと顔を横に振れば尚更タチが悪いですね、と笑った。
「もう準備満タンって感じですけど、どうですか?
待たせてしまったのでもっと沢山して欲しければさっきのまだ続けますけど...舌でされるのか指でされるのか、それとも僕自身か、どれがいいですか?」
彼は指を中に入れて私にそう訊ねた。
お腹側をとんとんと指でノックするように擦りながら。
達したばかりで敏感になっている身体はその刺激のあまりの強さにのけぞってしまう。
それをがっちりと抑えて私をじっと見つめる彼。
このままでは最後まで身体が持たないと思い私は彼の顔を引き寄せてキスをした。
「...テツヤ君のがいい」
なんて恥ずかしい事を言っているのだと自覚して身体は熱くなった。
でも今はそんなことよりも彼の一つになりたいという気持ちの方が勝ってしまって。
私は身体を起こして彼をベッドに寝かせて今度は私が彼に覆い被さった。
「名前さん?」
「...今日は、私がするから...」
Tシャツを脱いで自ら裸になって先程彼に着せた下着とズボンをずり下げた。
そして既に硬くなって立ち上がっていた彼のモノにゴムを着けてそこに跨った。
位置を確認するよう先端をソコに自ら擦りつければ敏感になっている身体はそれだけで気持ちが良くて声が出てしまった。
それを見ていた彼のものもびくんと脈打った。
「入れる、ね...」
「...はい」
私の太ももを掴んでこちらを見る彼の目は興奮状態のようでギラついていて。
そんな彼の視線にお腹の下の方がきゅっと収縮した。
なんとか落ち着いてゆっくりと彼のモノを挿入し最後まで全て入りきったところで小さくため息だ出た。
「...凄くあったかいです。名前さんの中」
「...あんまり言わないで...」
いつもの事といえばそうなのだけれど私ばかりが恥ずかしい思いをしているのがなんだか悔しくて彼の感じている顔が見たくて自ら腰を動かした。
彼は小さく息を漏らしぎゅっと目を閉じた。
それが見られたのが嬉しくてもっともっと見たくなって精一杯腰を振った。
でもいくら上を取ったところで彼にはきっと勝てないのだろう。
彼は私の腰を掴んで下から私を押し上げた。
「っひゃあ...っ!あっ...や、...っ!はげっ、し、い...っ!」
「っ、ここ擦られるの大好きですもん、ね...貴方のせいです、から、ね...こんな風にされてっ、抑えられるわけ、ないじゃないですか...っ!」
今日は私が頑張ろうと決意してからまだ数分も経っていないというのに彼に強く突き上げられた私はいつものようにひたすら感じる事しか出来なくなって。
それでも彼に気持ちよくなってほしくて彼の突き上げるタイミングに合わせて腰を動かした。
彼の眉間に皺が寄って腰を掴む手に力が入る。
「っ、名前さん...っ!」
ゴム越しに彼のものがどくんと脈打った。
何度も何度も、どうしてこんなに伝わってしまうのだろうと不思議に感じるくらい。
荒く息をする彼の胸が上下して、彼のTシャツをめくり胸に手を当てれば私と変わらないくらい心臓の鼓動が激しくなっていた。
「名前さん...ありがとうございます」
その手を引かれ彼に抱き寄せられて伝えられたお礼の言葉。
そういえばと思いだし時計を確認すれば時刻は既に日付を跨いでいた。
「あ...ごめん。...テツヤ君、誕生日おめでとう...」
「はい、ありがとうございます。...来年もこれから先もずっと一緒にいてくれたら嬉しいです...大好きです、名前さん...」
強く抱きしめて、またキスをして。
私の髪を撫で見つめあって。
「...ほんと...元気だよね、テツヤ君...」
「まぁまだ若いので...」
彼のものが中で再び硬くなったことに気付いた後彼は一度引き抜いて私をベッドに寝転がせた。
「今日はまだまだ頑張りますので」
新しいゴムを付け直して私に覆い被さった。
この長い夜はまだ始まったばかり
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