片想いの終わり

中学の時好きな人が出来た。
一年生の頃同じクラスになって偶然隣の席になって。
挨拶を交わすだけ、たまには雑談のようなものもしたけれど本当にそれだけで。
二年、三年は別々のクラスになって更に話すこともなくなって、途中から彼の顔を殆ど見なくなってしまった。
殆ど学校にも来ていなかったらしい。
何も知らない事が悔しかった。
それでも偶然、たまたま職員室に用があり立ち寄った際小声で話す彼のクラスの担任と学年主任の声を聞いた。
彼は誠凛高校に行くことに決めたと、そう話していた。
それを聞き、私はそれだけの理由で誠凛高校を受験し無事入学出来た。
まるでストーカーだと自覚しながらも入学式の日を迎え自分のクラスに入り張り出されていた席順を見て席に座ろうとした。
その時私は固まった。
いつか見たあの日が重なって、私は席に座る事が出来ずに固まってしまう。

「あれ、...名字さん、ですよね?
お久しぶりです」

席で静かに本を読んでいた彼が私を見上げてそう話しかけた。
彼が私を覚えていてくれたことが嬉しくて同じように挨拶をしようとしたけれど声が裏返ってしまいそんな私を見て彼は小さく笑った。
以前より大人びた彼の笑顔にどきりとした私はまだ私が彼を好きなのだと再認識させた。

そのまま彼と久しぶりに話をした。
なぜかその時彼は私をバスケ部に誘った。
どういう意図で言ってくれたのかは分からない。
でも彼に直接誘われたことが嬉しくて私は下心からそれに応じた。
先輩もカントクもみんな良い人ばかりで充実した日々を過ごすうちに動機は不純ではあったけれど思い切ってマネージャーになってよかった。
それは彼と話す機会が増えたこともあるのだけれど。




ただその日常が幸せだと満足していた、そう思っていた筈なのにそれはいとも簡単に乱された。
中学時代彼女は可愛いと評判だった。
帝光中学でバスケ部マネージャーをしていた彼女。
彼女が黒子君に抱き付いたのを見た瞬間私の視界がぐらりと歪んだのだ。



彼女はその後黒子君と2人で話をすることになった。
席を外すみんなと一緒に私もその場を後にした。
動悸が酷く嫌な汗をかいて。
制服に着替える際更衣室で2人になったカントクから顔色が悪いことを指摘され鏡で自身の顔を確認すれば不気味な程青白くなっていた事に驚いた。
その日はそのまま帰るよう言われそれに素直に従った。

家に帰ってシャワーを浴びて、晩御飯を食べた後はすぐにベッドに入って目を閉じた。
それでも全く眠気は訪れる気配がない。
目を閉じれば今日の黒子君と彼女が瞼の裏に浮かんでそれが見たくなくて結局私はその日殆ど眠る事が出来ずに朝を迎えた。

それでも朝練、授業を受け放課後の部活の時間になっても不思議と眠気に襲われることはなかった。
それにホッとしながらも視界に黒子君が入る度に胸が苦しくなった。
余計なことは考えたくないのに昨日の2人の姿が頭を支配して、頭痛に耐えながら人に見られないように小さく深呼吸をした。



部活を終えみんなが帰った部室のベンチに座ってぼーっとしていた。
部室に設置された鏡が視界に入り私はその前に立って自身の姿を見た。
中学の頃と殆ど変わらない、昨日見た彼女とはあまりに違う色気のない身体にため息をついた。
彼女を釘付けにしていた先輩達を思い出しせめてもう少し胸が大きくなれば多少自信が持てるのだろうか、なんて考えたけれど多分そういう問題ではないだろうと思った。
でも何か一つでも、と鏡の前で自身の胸に触れたその時、後ろから声をかけられた。
それが誰かなんて振り返らずともわかる。
鏡越しに彼と目が合ったのだから。

「...名字さん?まだ帰っていなかったんですね」

「く、...ろこ、くん...あ、ああ、うん、もう帰る、よ...」

彼はいつからそこにいたのだろうか。
それが分からずもし見られていたのだとしたら、何を思っていたのかバレていたのではないかと不安になって慌てて鞄を肩にかけ逃げる様に彼の横を通り過ぎて抜け帰ろうとしたところを彼に手首を掴まれ阻まれた。

「くろ、こ、君?」

「もう暗いですから、一緒に帰りましょう。送りますよ」

おそるおそる振り返って見た彼は普段と変わらぬ表情で、だからこそ彼が何を考えているかわからなくて私はその時初めて彼に少し恐怖心を抱いた。

「あの、くろ「ところでさっきは何をしていたんですか?」

2人で初めて歩いた帰り道、口数が少なくそれが気まずくてなんでもいいから話をしようかと思って声をかけた私を遮るように彼はそう訊ねた。

「何か悩みがあるなら聞きますよ。
僕達同じクラスになったのは2度目ですけどそれなりに付き合いが長いじゃないですか。
頼ってくれていいんですよ?」

彼はそう言って私を見て優しい笑みを浮かべた。
優しい、そう見えるのになぜかやっぱり今日の彼は怖くて。

「...胸が、小さいなって、思ってただけ、だよ...」

こんなことを異性に、ましてや好きな男の子に言うだなんて。
自分でも理解出来ない行動だった。

「...そうですか?僕は別にそんなこと思いませんが」

彼は私をじっと見て肩に手を触れた。
それに大袈裟なくらいびくりと身体が跳ねたのを見て彼は申し訳なさそうな顔をしてすぐに手を退けた。

「すみません、びっくりさせていまいました?
...でも、僕、名字さんのお役に立てたらなって」

彼は私から目線を逸らせてそう言った。

「僕の我儘を聞いてバスケ部のマネージャーになってくれたお礼もまだ出来ていませんし」

先程離れた手がまた肩に触れ、そのまま二の腕に滑る。

「今日、僕の家に寄りませんか?」

彼の大きく印象的な瞳と視線が交わった。
駄目だと脳が危険信号を出しているのになぜかその時私は首を縦に振っていた。
彼は私の手を握り再び歩き始めた。
私はただ彼に手を引かれて着いていく。




「すみません、少しだけ待っていてください」

初めて彼の部屋に招かれた。
あまり物は多くないごたつきのないシンプルな部屋は彼のイメージ通りで。
そんな初めて来た彼の部屋に1人取り残された私のは居心地の悪さを感じながら気まずい時間を過ごす事になった。
部屋の隅に鞄を置かせてもらって彼の机の椅子に座っていいものだろうかと迷うけれどなんとなく躊躇して。
本棚に並ぶと本を見た。
小説が殆どだ。
そういえば中学時代からよく読んでいたし高校でも図書委員会をやっていたな、なんて考えていた時扉が開いた。
彼は制服を着替え練習中に着ているようなラフなTシャツとハーフパンツ姿だった。
髪が濡れていて毛先から水が垂れていた。
どうやら彼はシャワーを浴びてきたようだ。
タオルで髪をくしゃくしゃと拭いて彼は私に近付いた。

「楽にしてくれていて良かったんですよ」

「...だ、大丈夫...」

一歩、また一歩と彼が近付く度に私は後ろへ後退る。
なぜ彼から逃げようとしているのかわからない。
でも私の足は無自覚で彼から距離を取ろうとする。
でもそれはすぐに終わりを迎える。

「...もう、逃げないんですか?」

踵が壁にあたる。
彼の両手が私の顔の横に伸びて壁に触れる。
背後には壁、目の前には黒子君が。
私はそこから石のように動けなくなってしまった。

「っ、く、黒子っ、くん!」

彼の暖かい手が私の服の中に侵入して背中を撫で、下着のホックを外した。

「言ったじゃないですか、...協力するって」

彼は耳元でそう囁いた。
そしてその手は前まで移動して胸に触れる。
むにっと胸を揉まれたところでやっと身体が動いて彼を押し退けようと胸を押してみたけれどそれは叶わず胸に触れる手に力が込められ先端をつままれた。

「っ、や、やだ...っ、黒子君っ!」

「やっぱりそれ程悩む程小さくはないと思いますが...」

そのまま胸の上まで服を捲りあげられ肌が晒された。
彼は晒された胸に顔を近付け先端を口に含む。

「〜っっ!!」

「硬くなってますね、ここ。大丈夫ですよ、沢山感じた方がホルモンが分泌されますから。
それに今家に僕達しかいませんから声を我慢する必要ないですから」

ちゅっちゅっと音を立てて吸われては舌を這わされ手でむにむにと揉まれて。
3年以上も片想いしていた男の子にこんなことをされて、こういうことを想像したことが全くなかった訳じゃない。

でもこんな....こんな風に...

身体から力が抜け足に力が入らなくなってその場に座り込みそうになったところで彼に抱きしめられるように身体を支えられた。

「ここじゃ危ないですね」

彼はそう言って私をベッドへと誘導し、そのままベッドに座らせ肩を押されてベッドに沈んだ。
スカートも脱がされて下着の上からソコを指で撫でた。

「気持ちよかったみたいですね」

そしてそのまま下着も脱がされて生まれたままの姿にされてしまった。

「ここも気持ちよくしてあげますね」

彼が私の足を広げ顔をソコに顔を近付けられたところであわててそれを止めようと頭を押し退けようとしたけれど腕を取られそのままソコに口をつけられた。

彼の舌がソコを這ってくちゅりと音を立て吸われて。
初めての感覚に身体がびくりと跳ねた。
彼は驚く私にお構いなしにソコを舌で責め立てる。
どうして彼がこんなことをしているのか、こんなことになっているのか、考えなければならないことは山ほどあるのに彼に与えられる刺激が気持ち良すぎて上手く頭が回らない。

「あっ...まっ、てっ...っく、ろこぉっ、くっ...あっ...っ!!」

彼の愛撫で私は腰をのけ反らせてあっさりと達してしまった。
自分で触れた時とは比べ物にならないような強い刺激に頭が完全に真っ白になってしまった。
ぜぇぜぇと息をする私を見下ろして彼は笑みを浮かべていた。

「もうぐちゃぐちゃですね」

彼はそう言って私の顔を見ながら中を指でかき混ぜた。
私がぴくりと反応した場所を見逃さずに一点を集中的に刺激され、腰に力が入らずされるがままとなっていた。
また達しそうになったところで指を引き抜き彼は当然のようにゴムを取り出し自身に装着してそのまま私の中に挿入した。

「っっ!!?っ、くろ、こく、ん...っ、な、んで、なんでっ...こん、な...っ!」

「分かりませんか?...名字さん、僕のことずっと好きでしたよね?
僕のこと考えながら沢山シてたんですか?
じゃないとこんなに濡れないですよね...」

彼はそう話しながら腰をゆっくりと動き始めた。
先程見つけた私の気持ちいいところを集中的に。
意味が分からないと思っているのに彼から与えられる刺激が気持ちよすぎて涙が溢れた。
彼はそれを見て私に覆い被さりその涙を舌で拭った。

「大丈夫です、...僕も同じですから」

「あぁっ...っっ!!」

彼は腰を打ちつけながら敏感な場所を指で擦った。
思わず大きな声を漏らした私を彼は見下ろしにっこりと笑みを浮かべた。

「僕も貴方のこと、好きですから」

彼がそう言葉を紡いだ直後私のお腹の下の方がきゅうっと収縮したのを自覚した。
すると彼は初めて顔を歪ませ両手で顔を包んで唇にキスをした。

「っ、すき、ですっ...名字さんっ、のこと...!」

彼が何度も何度も好きだと言ってキスをする度に中がきゅうきゅうと縮こまって彼は腰を打ち付けるスピードを上げる。

「っもう、いき、ます...っ!」

彼はそう言ったあと腰を奥までぐぐぐっと1番奥まで押し込んで目を閉じてビクビクと震えた。
中で彼のものがどくんどくんと脈打つ感覚が伝わった。
私も彼が達した直後に再び絶頂を迎え心臓がバクバクと今日1番大きな音を立てて鳴った。
そんな私に彼は繋がったまま身体を預け力いっぱい抱きしめた。
躊躇しながらも彼の背に腕を回せば彼は身体を少し起こして唇にキスをした。

「僕は貴方のことが好きですから...胸の大きさなんてどうでもいいですけど貴方が気にするのでしたら毎日こうしてあげますよ」

そう言ってもう一度キスをされると再びお腹の下の方がきゅっと絞まった。
彼は一瞬眉間に皺を寄せ再び笑みを浮かべる。

「本当に貴方っていやらしい子ですね。
そういうところ凄く可愛いですよ」

私の中で再び硬さを取り戻したソレは再び私を責め立てる。
大好きな人に抱かれて互いに快楽を貪りあって。
本当はもっとしなければいけない話があることは分かっているのにそれでも。
私達はただただ互いを求めて動物のように抱き合った。


end