「中学の頃の制服ってどうしましたか?」
「え...しまってある、けど?」
彼の唐突な言葉に一瞬反応が遅れてしまったけれどすぐに内容を理解してそう返事をした。
私をじっと見つめる彼を見て嫌な予感までもが頭をよぎってしまう。
「...ごめん、着ないよ」
「!なんでですか!?」
その予感は当たっていたようだ。
彼は絵に描いたような驚きの表情を見せ理由を訊ねた。
正直恥ずかしいことだから答えたくないのだけれど、でも何も言わずに彼が見逃してくれる筈もないということももうよく分かっている。
「...着ないっていうか、多分着れないと思う...ちょっと太ったかもしれなくて」
「...胸がですか」
私の胸を見て平然と言ってのけた彼の頭に手刀を食らわせた。
彼は痛いですと頭を抑えたけれど別に悪い事をしたとは思っていない。
これは正当な行為だと思うから。
「大丈夫です、着られます。
身長はそのままですし抱き心地はそれ程変わっていません!
僕が言うんだから間違いないです!」
彼はそう言って私の腰に腕を回し抱き寄せた。
たしかに彼は誰よりも私の身体に触れているのだけれど、でもその言い方はなんだか生々しくて嫌だった。
あと中学を卒業してから身長が1cmしか伸びていないことは私も自覚しているのでわざわざ言ってほしくなかった。
彼自身もわりと気にしている筈のその話題に触れられたことにもほんの少しイラっとした。
「なんで着てほしいの?さつきちゃんの制服着たから?そもそもテツヤ君は私の中学の制服姿なんて何度も見てるのになんで今更そんなに見たがるの?」
「...本当は僕も直接帝光の制服を着た名前さんが見たいんです。
でも手に入れるには怪しい人から買い取るしか方法がなくて...」
なんともまぁ、彼は変な思いつきをしたせいで社会の闇的なものを知ってしまったらしい。
そもそもそんな手段で手に入るそれはかなり高額だろうし出所もよく分からない買い物なんてしてほしくなかったから彼が思いとどまってくれたのは本当に良かったと思う。
「僕、名前さんと同じ中学に通うの夢でしたから」
「...だったら尚更私が行ってた中学の制服なんて着ても意味がないんじゃないの?」
儚げな表情でそう話す彼に私がそう言うと彼は口を閉じてしまった。
きっと他にも本音が隠されているのだろうということにすぐに気が付いた。
「正直に話してくれたらもう少し前向きに検討するよ」
よしよしと頭を撫でてそう言うと彼は自身を撫でていた私の手首をパッと掴み真顔で私に顔を近付けた。
普通に怖い。
「中学時代無防備な貴方に何度も誘惑されても我慢に我慢を重ねていた昔の僕を思い出すと哀れに感じてしまったのであの頃の僕を慰める為に中学時代の制服を着て僕に抱かれてください」
「......誘惑なんてしてないよ、勝手に記憶を改竄しないで」
彼は大きな声でしましたと叫んで私をぎゅうぎゅうと背骨が軋むのではないかというくらい力いっぱい抱きしめた。
「ベッドに誘われたり短いスカートを履いているのに膝枕をしたり僕が来ているのにシャワーを浴びて薄着で平然と僕のすぐ近くに座ったりしたじゃないですか!
あんなの好きな女の子にされたら誘われてるとしか受け取れませんよ!」
「...幼馴染だからって配慮が足りてなかったのは謝るけどそんなこと言われるなら膝枕はしなきゃよかったね」
好意を寄せられていた自覚はあったけれど彼にまだそこまで明確な欲があるとは露にも思っていなかった、結果彼を挑発するような形になってしまっていた。
これは私が反省するべき点だろう。
でも膝枕に関しては彼の方からねだってきたことが何度もあったからしていたのに。
付き合い始めてからの彼は膝を貸した際しれっと太ももを撫でるようになったのでそういうことに興味を持ち始めたのだなと気付いたけれど。
「名前さんは僕をなんだと思っていたんですか。僕だって男なんですから普通に妄想してましたよ、それはもう色々と!」
なんというか酔っているみたいなテンションだ、今日の彼は。
もしかして熱でもあるのだろうかと心配になって彼の顔を触ってみたけれどいつもと変わらない。
お酒に酔っているわけでもない、体調が悪いわけでもない、そうなると尚のことやっかいだ。
「ごめんね、デリカシーがなかったね。
ちゃんと反省してるよ」
男子中学生の性事情なんて殆ど知らないものだからその知識不足のせいで彼を苦しめてしまったことには申し訳ない事をしたし変な気を起こさなかったことは褒めてあげたいくらい。
それは最近の彼を見ていれば尚更感じたことだ。
「...じゃあ、着替えるから、テツヤ君も制服取ってきてよ」
だから今回は私が折れることにした。
彼は途端に明るい表情を見せ慌てて私の部屋を出ていった。
中学の頃の彼とは随分変わったと思う。
あの頃のどこか儚い雰囲気の彼も好きだったけれど今の彼は彼で好きだと思うから私は心底彼に惚れているのだと思う。
「久々ですね、名前さんのブレザーの制服を見るのは」
「...テツヤ君もね」
彼自身は中学時代の制服を着ることに抵抗はないのだろうか。
水色のシャツに濃紺のネクタイ、白のブレザーに黒のスラックスはやはり彼の雰囲気にとても合っているのだけれど。
中学時代の諸々はもう吹っ切れているし今は楽しく過ごせているのだからまぁ置いておいて。
それを今着るのはもはやコスプレに等しいと思うのだけれど。
私の1番の抵抗の気持ちはそれだ。
「誠凛の制服もよくお似合いですけどこちらの制服もとてもよくお似合いです」
「...ありがとう」
望みが叶ったことが嬉しいのか彼の顔は先程よりも緩んでいる。
早速と言わんばかりに私を抱きしめキスをした。
「でもやっぱりもうブレザーは暑いですね」
彼はそう言って白のブレザーを脱ぎ捨てネクタイを少し緩めシャツのボタンを一つ外した。
そして私のブレザーを脱がせた。
「確かに少し窮屈そうですね」
シャツの上から私の胸を撫でてそう言って笑った。
馬鹿にするような笑みではなく、いやらしいことを考えている、そんな笑みを。
「...おじさんみたいなことしないで」
「気を悪くされましたか...すみません」
本気で悪いとは思っていなさそうな顔で彼はそう謝って再びキスをした。
目を閉じてそれを大人しく受け入れると彼は私の腰を抱き寄せより深いキスをした。
「...名前さん...」
「あっ...」
唇を割って口内に入ってきた彼の舌に捕まって、生暖かいその舌に弄ばれて。
「気持ちいいって、顔に書いてあります...」
「っ、やめ...て...」
腰が抜けそうになる私を支えベッドに追い詰めて足がマットレスにあたるとそのままベッドの上に押し倒された。
「可愛いですね、本当に。まぁいつだってそうなんですけど」
私に跨り脇の下に手を入れ上の方へと引っ張り完全に身体をベッドの上に乗せ直した。
力もいつのまにこんなについたのだろう。
「中学生の頃からこんな下着を着けていたんですか?」
シャツのボタンを半分程外して彼は胸を指でぷにっと押した。
私が着けていないと首を横に振るとそうですか、と言ってシャツの中に手を入れて下着のホックを外した。
「直接触れたいといつも思っていました」
「〜っ!」
胸を鷲掴みにして、頂を指で摘んで、もう片方は口に含んで。
「想像していたよりずっと素敵です」
舌先で転がして優しく噛んで、びくりと腰が跳ねたのを彼は見逃さず腰をいやらしく撫でた。
「可愛いです」
何度言われただろうか、彼にその言葉を。
言われる度にその可愛いが何を指しているのか分からなくて困惑してしまう。
「こちらもきっと...」
私の足をくの字に曲げて、膝から上にゆっくりと手を滑らせ、スカートの中に手を忍び込ませた。
そして下着の上からソコを擦ると嫌な感触が身体を襲う。
湿ったそれを布越しに押し付けられた気持ち悪さ。
「可愛いです、やっぱり」
そのまま彼は下着の隙間から指を入れた。
「あったかくて柔らかくて...しっとりとしといて」
浅く入れた指を抜いて下着を脱がせて両足を大きく開いて太ももの裏を掴んで持ち上げられた。
今日は制服を脱がせる気はないらしい。
「もうしっかりと膨らんでいますね」
「っ、あっ...っ!て、っやっ、くん...っ!」
素早く上下に舌で舐められてその刺激から逃げ出したくて動いてしまう腰をがっしりとホールドされて強制的に刺激を与えられる。
「どんどん溢れてきますね」
ちゅっと音を立ててソコを吸われるとビクンと腰が大きく跳ねて。
「...いっちゃいました、ね...」
彼はそう言って顔を上げた。
いつもいつも見られたくない時に限って彼は私の顔を見る。
荒い息を繰り返す私を見下ろして満足そうな顔をして微笑んで、制服のズボンのベルトを緩めてボタンを外しファスナーを下ろした。
「...テツヤ君、待って」
のそのそと起き上がり彼の手を取りそのままベッド彼を強引に転がした。
「っと...どうしました?」
いつもいいようにされてそれが少し癪だと思った私は彼の上にのしかかり彼の下着をスラックスごと下にずり下げると既に勃ち上がったそれが勢いよく飛び出した。
「...こういう事も、想像してたんでしょ...」
「ああっ...っ!名前さん、そんな...っ!」
その先端を口に含んで普段彼が私にするのと同じように吸ったり舌で舐めたり押したりすると彼は気持ちよさそうな顔をして声を漏らした。
「っ、ま、待ってください...!舐めながら顔を見られるの、ほんとヤバくて...すぐいっちゃいそう、で...!」
いつもどれだけ私がやめてと言ってもやめてくれないのだから今日は私もやめないと決意して根元まで咥えこんだ。
比べられる程多くの男性のモノを見たわけではないのだけれどやっぱり彼のモノは体格のわりに大きい方だと思う。
口いっぱいに頬張って刺激を与えるけれど上手く出来ているかはわからない。
それくらい余裕がない。
でも彼は気持ちよさそうなのが目に見えて分かったから必死でそれを続けた。、
「っ、名前っ、さぁん...っ!!」
彼は私の名前を呼んで強い力で自身から引き離した。
放たれた欲は私の顔にあたりポタポタと彼の身体に溢れ落ちた。
「っ、す、すみません!そういうつもりはなかったんです!」
彼は慌てて起き上がり私の顔をティッシュで拭いた。
取り敢えず目に入らなくてよかったと安堵した。
「...気持ちよかった?」
「はい、勿論...最高でしたよ」
ありがとうございますと言って私の頭を撫でる彼の余裕を感じる態度がなんだか嫌で半分嫌がらせの気持ちで彼にキスをした。
でも彼はそれを拒む事なく受け入れ私を抱きしめた。
自分のモノを含んだ直後だからキスなんてしたくないと思ったのに、悔しくて自ら舌を彼の口内へと入れたけれどやっぱり彼は拒まなかった。
私は多分彼には一生勝てないのだと、そう確信した。
「でも次は貴方の中でいきたいです」
再びスカートの中を弄られソコがくちゅくちゅと音を立てた。
また私はベッドに寝かされてしまう。
先程達したばかりだというのに依然として彼のモノは萎えることもなくしっかりと勃ち上がっていて、彼は自身にゴムを装着した。
「今度は一緒に気持ちよくなりましょう、ね」
入り口にあてがい、ずずずっと中を押し広げられるように、彼のモノが私の中へと入ってきた。
腕を掴み改めて彼の姿を見ると中学生の頃の彼の姿が蘇り、いけないことをしているような、そんな感覚に襲われた。
それから逃れたくて彼のネクタイに指をかけ、それを解いて引き抜いて。
その制服を脱がそうとしたけれど彼に腕を取られたベッドに縫いつけられてしまった。
「昔の僕に抱かれているんです、今日の貴方は」
だからダメです、と言って彼は腰を打ち付けた。
いつも、いつも痺れておかしくなるような感覚。
悲しくもないのに、痛くもないのに涙が溢れてしまう。
「あぁ...気持ちいいです...っ
貴方の僕に対する想いと同じです。
柔らかくてって暖かくて、僕の心を締めつけて離さない...そんな、感覚です」
「っ、てつ、やっ、くんんっ...!はげっ、ああ...っ!!だ、めぇ...っ!!」
いやらしい水音、肉のぶつかる音、彼の熱を孕んだ吐息、溢れる嬌声。
全部が混じり合ってもう何も考えられなくなって、私はただただ感じることしか出来なくて彼に思い切り抱きついた。
「っ、そんなに、締められたらっ...!」
彼が腰を打ち付けるスピードが上がる。
もういきたいと、そんな必死さに私のなかはきゅうきゅうと収縮して。
「ああっ...!てち、ゅ、てつや、くんっ!
いっちゃう...!ああああ....っ!!」
背中をのけ反らせて達した私に彼は激しく腰を打ち付け、1番奥で私を抱きしめ小さく身体を震わせた。
一度大きくドクンと脈打ったソレは私の中で何度も何度も脈打って、それに恥ずかしくなって私の中が再びきゅっと締まってしまった。
「...ゴム越しでもこんなに気持ちいいのに...将来直で貴方と交わる時がきたらいったいどうなってしまうのか...楽しみではありますが少し怖いですね...」
惜しむような顔を見せながら彼は自身を引き抜いた。
慎重に取り外したそれの中には2度目とは思えない程の量のソレが入っていて、出した張本人の彼も驚いて苦笑いを浮かべた。
「またしましょうね、制服えっち」
「...テツヤ君のえっち...」
嫌だとは言えない私。
だって相手は彼だから。
これから先彼程好きになれる男の子になんて出会えないと、そう確信しているから。
「ありがとうございました。大好きです」
だからその一言で全て許してしまう。
そんな自分が情けなくて、でも少しだけ好き。
end