11:貴方を間違っていると等言う資格はない

「課外授業、ですか」

その日の授業が全て終了した後大徳寺先生に呼び止められた。

「はいですにゃ。名字さんも宜しければご一緒しませんかにゃ?」 

そうお誘いの言葉をいただいた。
ああ、ついにこの日が来たのかと胸がちりくと痛んだ。

「···いえ、申し訳ありません。実はお仕事を一つ頼まれておりまして」

「そうですかにゃ。残念ですにゃ」

私は嘘をついた。
その日頼まれていた仕事などない。
ただ私がそこにいてなにかプラスに働く事はないように思えた為それを断った。

「す、みません。折角お誘いいただいたのに」

「いえいえ、気にしないでほしいですにゃ。お仕事頑張ってくださいにゃ。」

いつも通り優しい先生だった。
だからこそ胸が痛んだ。
この人から逃げようとする自分自身に。

「ありがとうございます。···あの、お気を付けて」

「はいですにゃ」

早くこの場から離れたい。
そう感じて早々に会話を終わらせた。
そうしなければなにかボロが出てしまいそうで怖かったのだ。

「·····名字さん」

「はい」

「何か心配事ですかにゃ?」

いつも通り飄々とした表情だ。
なのになぜ、こんな事を聞かれたのだろう。

「え、いえ、何もありませんよ」

「そうですかにゃ?何か困っていることがありましたら何でも私におっしゃってくださいにゃ」

やはり先生はいつも通りだった。
私は大徳寺先生だって大好きな先生だった。

「···有り難うございます」

しかしこれから起こる出来事を想像するの私の心は複雑だった。

優しい先生には違いないのに
なぜ彼にはこの道しかなかったのだろうか?

彼は自身の生き方に満足している。
それを否定することは彼に失礼だ。

それでも悲しいです、先生