14:何が出来るというのだろう

今日セブンスターズの件が彼らの耳にも伝わった。
十代君が首にその鍵をかけている。
私にいったい何が出来るのだろうかと考える。

思わず彼をじっと見つめてしまったことで彼が私に気がついて大きく手を振り私の名前を呼んだ。
どうしようかと悩んだ結果小さく手を振り返して早々にその場を後にした。

(どうしても彼だけには上手く対応できない)

この後すぐに辛い闘いが待っていることを知っているのに私はまた逃げてしまった。
いったい鮫島校長は私に何を期待しているのだろうか。

「あの、名前さん」

声をかけてきたのは明日香ちゃんだった。
とても不安な表情を浮かべて。

「名前さんも、今回の事をご存知だと聞いています。
それで、その、クロノス先生は亮か自分が一番に狙われるとおっしゃっていました。
でも私にはそうは思えません。
一番弱いと思われている、十代から潰そうとする、そうではないかと思うのです」

明日香ちゃんは本当に優しい子なのだと思う。
それでいて賢い。
今完全に油断している十代の身を案じているのだ。
明日香ちゃんの考えていることは正解だ。
だが私はそれにどう応えればいいのだろうか。

「私も天上院さんの考えはあり得ると思う。
私の方からも遊城君に十分に気をつけるように伝えるから、天上院さん自身も覚悟を決めておいて」

「ありがとうございます」

明日香ちゃんはまたしても私に感謝の言葉を口にした。
そんな彼女が相手だからこそ私を頼ってくれる子にこんなことしか言えないなんて、と自分の底の浅さに嫌気がさした。
それでも私にこの闘いを止める術はないのだ。

ごめんなさい

心の中で何度も謝った