20:子供達を守る権利くらいは得ている筈

原作通りカミューラに翔君が人質に取られてしまった。
しかしここで実際に人形に封印されるのはそう、丸藤君の方だ。
大丈夫なの、それは分かっている。
それでも、絶対なんてあるのだろうか。
イレギュラーは存在する。
 
私というこの世界の異質が。

だから、無理かもしれない、それでも守ると言った。

「お願い、私を人形にして」

私のその発言に皆が驚きの表情を見せた。
カミューラは驚きつつも何故かすんなりとそれでもいいと微笑んだ。


「待て!どうして貴方が!これは俺の使命だ!」

丸藤君はそれをやめさせようと自分を人形にしろと強く訴える。
どうして本当にこの世界の子供達は自己犠牲を被ろうとするのだろうか。

私はほんの少しだけ待ってほしいとカミューラに頼んだ。
その要求にも何故か彼女はすんなりと頷いたのだ。

「貴方達はまだまだ子供だから。
全ての責任を貴方達が被らなければいけないなんて事ないし、本当に被る事なんて出来るはずない。
貴方達がそれが使命だと考えるのならそれを否定するのが私の使命なんだと思う。
これは犠牲なんかじゃない。
力を持たない私に出来る最大限の勇気。
私には力がないからこの程度の事しかしてあげられない。
元々ここにいて良い人間ではなかったの。
だから私の事は忘れていいから今の私を讃えてほしい」

そう言った後カミューラに待ってくれてありがとうを言ってもう大丈夫、と目で伝えれば私の意識はそこで途絶えた。

意識を失う瞬間それを静止しようとする皆の声と、その中で誰よりも大きな声で私の名を呼ぶ十代の声が木霊した。

私のした事が正しい事だったかはわからない。
それでもこの世界で子供達とこの哀しい女性守る権利を貰えたら、と神に祈った。