柔らかなベッドの上で目覚めた私は回らない頭で考える。
いったい何が起こったのかと。
起き上がり周りを見渡す。
豪華な調度品が飾られたその部屋は間違いなく私の部屋ではない。
「私はたしか、カミューラに」
「おはよう、目が覚めたのね」
頭が覚醒してきた頃扉を開けカミューラが私かいた部屋に入ってきた。
「······なぜ、私は人形になっていないの?」
私は丸藤君の代わりに人形になった筈だ。
なのに私は人の姿を保っている。
もしかして彼はあの後人形にされてしまったのだろうか。
そう考えて背筋がゾッとした。
「あの子はもういらないわ。
だって私には貴方という人がいるのですもの」
私の隣に腰をかけて首筋に鋭く伸びた爪を当てた。
私は殺されるのだろうか?
そういう役目だったのかもしれない。
そう覚悟を決めるも彼女は私に危害を加えようとしなかった。
「ねぇ、貴方は何者なの?」
「私が、何者?」
彼女は何を知りたいのだろう。
「貴方を見た瞬間何故か私は貴方がほしくてたまらなくなったの。
それはどうしてかしら?」
私の腰にするりと腕を回し私を抱き締める彼女になんと答えればいいか悩んだ。
「私はこの世界の人間じゃないの」
なぜ言ったのかはわからない。
彼女の孤独さに同情でもしたのだろうか。
それとも私を同情してもらいたかったのだろうか。
この世界では異質の私を。
その異質さを彼女は感じとったのかもしれない。
「私たちは家族になれるわ」
彼女はそう言って私の頬に口付けをした。
私は彼女と共に暮らすのだろうか?
それでももしそうなら、彼女は十代との戦いで玄魔の扉に封印されることはないのかもしれない。
それならば
「それも素敵かもしれない」
貴方は今までどんな人生を送ったのでしょうか
孤独でしたか?
幸福でしたか?
不幸でしたか?
希望に満ちていましたか?
一言で片付けられるほど貴方の人生は軽いものではなかったでしょう。
貴方はバンパイアとして気高く生きてきたのですよね。
私などの存在で貴方が安息を得られるというのなら光栄です。
決して
決して貴方の顔が浮かんだりなどしていません
十代君