私がここに存在する意味はなんなとだろうか。
私に出来ることがあるのだろうか。
もしそんなのだとしたらこの子達を守る事が出来たら幸せだろうに。
この子達の強さを十分知っている私が思ってはいけない事なのにそれでも異形の私を受け入れてくれた彼らに何かを返せたら、そう願ってしまう。
どうして彼らは、彼はこんなにも強いのだろうか。
十代君だけではない、明日香ちゃんや万丈目君、彼らより臆病だと自らを称している翔君だって。
彼らが本当に強い事を私は知っている。
それは何がそう成せるのだろうか?
誰かを守る為なんて目的がなくても彼らは強い、そして私は弱いと思い知らされる。
ここに来てからというもの時の流れが異常に早く感じる。
それは目まぐるしく変わる彼らの成長を見ているからだろうか?
私がこの世界を楽しんでいるからだろうか?
「····十代、君」
目の前で果敢に戦う十代君の背中に何を思うだろうか。
あんなに小さな背中にどうしてこんなにも信頼を寄せてしまうのか。
それは彼がこの世界の中心だからだろうか。
十代君は私に優しい。
それはとても有難い話で幸せで。
「(貴方は誰にとってもヒーローだから、だから一市民に私にも優しいのだろうか)」
影丸理事長と十代のデュエルを皆が見守っている。
誰もが彼を信頼して彼の勝利を願っている。
そんな自分に向けられる視線に尻込みする姿など微塵も見せない十代君を見て感じたその感情は実におこがましい。
それでも私はその背中を見て望んでしまう。
「(何処にもいかないで)」