好きだからだもん。/ci

ホスト企画に参加させていただきました。

▼以下本文

※夢主の性格が地雷やん!だったりお相手が酷かったりします。苦手な方ごめんなさい!


街が眠る頃、この街は起き上がる。煌びやかな照明が店内を煌々と照らし、その陰影はよりはっきりと。

***

鮮明になる。

「《可愛い姫から一言いただきまーす!》」
そう言って渡されたマイクは100万円分の重みがあった。
「《今日のアフター楽しみにしてまーす♡よろしくね♡》」
視線を端っこに座ってる被りに向けると機嫌が悪そーに顔を背ける。お前がやっすい金で通えてんのも名前がこうやってボトル入れてるお陰なんだから感謝しなよね。
机の上はくまさんにガラスの靴できらきら。名前はお姫様だから。
グラスに残ったモエロゼを飲み干す。沸き立つ店内はまるでシャンパンの泡みたい。ぱちぱち、しゅわしゅわ、甘くていい香りがするんだよ。
「いやーほんま、毎回入れてくれてありがとうな。」
そう言って彼と共に新しいシンデレラが運ばれてくる。
『チーノ!全然良いよ、大好きなんだもん、これぐらい当然だよ...!』
空いたグラスがまた彼への愛で満たされていく。飾りでシンデレラもテディも入れるけど、やっぱ味はモエロゼが美味しいな。ピンク可愛いし。
「ありがとう...さっきのマイクやねんけどさ、俺アフターは...。」

ぱちぱち。

『...バイト?』
「うん、この後シフト入ってもうてるし、後期の学費振込ももうすぐでさ...別日でもええかな。」

しゅわしゅわ。

『前も同じこと言ってたよね...。それが今日なんじゃないの?』
「ごめんな...ほんまに今日だけどーしてもダメやねん...次はいつ来てくれる?」
『あのさ...名前だっていっぱいボトル入れようと思ったら来れる日限られてくるよ。それで来てさ、ボトルいっぱい入れても応えてくんなかったら来なくなるよ。』
「名前もいっぱいお仕事してくれてんのはわかってる。...でも、今日のも掛けあるよな?どうせ掛けんねやったら...」
ガチャン!
『毎月ちゃんと払ってるんだから良いでしょ?どうせ名前とアフター行きたくないだけなの知ってるから!』
床に落ちたロゼは血溜まりみたいに染みを広げていく。
『てゆーかそもそも妹の学費?バイト掛け持ち?わかりやすい嘘ついてんなよ!いっつもヘラヘラしてさぁ...ボトル何本入れたって初回と扱い変わんないとか客なめてんの?痛客だと思ってんならさっさと切れよ!』
あーあーあー。さっさと切りたいと思ってるけど良い金づるだから切れないんだよね。知ってるよ。

「名前、」


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