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何処までも通じているようなその道は、けれどその実たった一つの場所にのみ続いている。
「なまえ、丁度いいタイミングで来たね」
「あら、こんばんは。イライ」
重たい扉を開けると、丁度食事を始めるらしいイライが複数のカラトリーを持って立っていた。料理は基本的に自炊。誰かと食べることもあれば、個人的に好きなものを作って食べることもある。
今日は何人かが共に食事をすることにしていたらしい。食堂はいつにも増して賑やかだった。
「ダイアー先生が煮込み料理を作ってくれたんだ。きみも食べるかい?」
「いいえ。どうせならお腹を空かせた彼らに分けてあげて」
ちらりとむけた視線の先、扉が開く音がして、また室内が騒がしくなる。疲れた顔をする四人の足取りは重く、今回のゲームは相当疲労困憊するものだったと見てとれた。数人が手を貸して、彼らを椅子に座らせる。イライも布の奥で顔を顰めていることが、雰囲気でなんとなく察せた。
「ダイアー先生の手料理なら栄養も抜群。私よりも彼らが食べるべきだわ」
「…そのようだね。きみはどうするんだい?」
「私は今日動いてないからお腹は減っていないの。自分で軽食を用意するから気にしないで」
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