2人でケーキを食べていると、私、ピーターに聞きたいことがあるの。と、アンジーは静かに話始めた。
「私が外を歩けばみんな私のことを見るわ。私、他の人と見た目が違うから…」
「みんながアンジーを見るのはアンジーが可愛いからさ」
「いいえ。好奇の目で、恐怖の目で見られることもあるわ。みんな私のことを天使だなんて呼ぶけれど、きっと裏では私のこと化け物って呼んでるに違いないわ」
アンジーは感情的になるわけではなく、ただ淡々と話した。ピーターはそれを静かに聞いていた。
「今日、ピーターと街を歩くことができてとても楽しかったわ。美味しいケーキを食べることもできたし。でもきっと、これ以上私と一緒にいたらピーターに迷惑をかけてしまう。ピーターも、心のどこかでは、私のこと怖かったんじゃない…?」
そう言うアンジーの瞳はとても悲しげだった。それに気づいたピーターは勢いよく立ち上がり、そんなことないと声を張って言った。ピーターの声が店内に響き、店内にいた店員や客は大層驚いた顔をしていたが、ピーターは気にせず続けた。
「他の奴がなんと言おうと、君は今まで出会ったどの女の子よりも綺麗だよ。僕はそんな君のことが好きだ。その白い髪も、肌も、なんならまつ毛も。他の人とは違うものを持っている君がたまらなく愛おしいと思うよ。見た目だけじゃない、君の性格だって。可愛いって言うとすぐ恥じらって顔を真っ赤にする。恥ずかしがり屋な君が僕は好きなんだ」
そこまで言って、ピーターは自分がとんでもないこと言ってしまったことに気づく。
アンジーも、なんなら店にいた店員や客もみんな顔を真っ赤にしている。中には指笛を吹いてる茶化してくるものもいた。
ピーターは恥ずかしくなって静かに席に座った。そして小さな声で顔を真っ赤にするアンジーにごめんと言った。
その言葉にアンジーは納得が行かず、どうして?とピーターに聞いた。
「言うつもりじゃなかったんだ。…店を出よう」
ピーターはお金を払ってアンジーの手を引いて店の外に出た。
「ピーター待って」
「ごめん。君に恥ずかしい思いをさせてしまった、ごめん」
「待ってよピーター、私の話を聞いて!」
アンジーの声にピーターは立ち止まって、ゆっくりとアンジーの方を向いた。
アンジーは大きな深い海の色をした瞳からボロボロと涙をこぼしていた。
「バカねピーター。自分ばっかり言いたい放題言って」
「ごめん、泣かせるつもりは…」
「嬉しいのよ」
アンジーの言葉にピーターは声を失う。
「ピーターにそう言ってもらえて、私とても嬉しいの。私だって、ピーターのことが好きなのよ」
涙を流しながら話すアンジーは宛ら慈愛に満ちた天使のようだった。