それから2人は近くの公園まで歩き、ベンチに座ってゆっくり話をしていた。
「初めて僕が君を見たのは、学校へ向かう途中だったんだ。見たことない子が妹と同じ制服を着ていたから気になって」
「やっぱり。あの子たちはピーターの兄妹だったのね」
「アンジー、僕の兄妹を知っているの?」
「前に4人でいるところを見かけただけなの。私、多分その時からピーターのこと気になってたんだと思う。最初は楽しそうだな、私もあの子たちみたいに楽しい学校生活を送りたいなって」
アンジーは少し遠くの方を見つめながら少しずつ話した。それから学校から寄宿舎までの道でピーターのことを探してみたり、目で追ってみたりしていたこと。デートに誘ってくれた時は飛び上がるほど嬉しかったこと。今日のデートでなんとなくが確信に変わったこと。
「私、ピーターのことが好きよ」
ピーターは耳の付け根まで真っ赤になっていた。先に言い出したのがピーターとは言え、ピーターの目を真っ直ぐに見つめて話すアンジーにピーターは顔を赤くするしかなかった。
「僕もアンジーのことが大好きだよ」
ピーターは太ももに置いていたアンジーの手を優しく握って言った。お互い恥ずかしさでそれ以上言葉は出てこなかったが、2人とも心地良さそうにしていた。
しばらくの沈黙の後、先に口を開いたのはアンジーだった。
「私、誰かに告白されることはあっても自分が人を好きになったのは初めてなの。これから、どうしたらいいのかしら…」
ピーターがアンジーの顔を覗くと、アンジーは恥ずかしそうに、でも少し戸惑った表情をしていた。
「私たち、付き合うの…?」
「僕は、そうしたい」
「でも私、付き合うって、何をしたらいいかわからないわ。それに、私ピーターの恋人に相応しいかしら…」
「僕はアンジーがいいんだ」
ピーターの真っ直ぐで素直な言葉にアンジーはまた顔を真っ赤にする。
「そうね。私もピーターがいいわ、それと一緒ね」
「そうだよ。それに僕も付き合ったことがないんだ」
「嘘よ、ピーターはかっこいいからモテるでしょう」
「アンジー程じゃないよ」
「私だって!」
言い合っているうちに2人はなんだかおかしくなって顔を見合わせて吹き出してしまった。
「きっと正解なんてないんだ。2人でゆっくり、僕たちなりの付き合い方を見つけようよ」
「そうね」
2人はお互いの手を強く握り合って、寄宿舎へ向かって真っ赤な夕焼けの中を歩いて帰った。