同時刻、駅の通路にて。
少年5人による乱闘が起きていた。4人が1人を囲んで袋叩きにしていた。攻撃の的になっていたのはピーターだった。
騒ぎを聞きつけて駅に来たスーザンとルーシーが人混みの後ろの方からピーターを見ていた。スーザンはピーターと目が合うと呆れた顔をしていた。さらにスーザンとルーシーの後ろからエドマンドが出てきて、乱闘に参加した。ルーシーがエドマンドを呼んだが聞く耳を持たない。エドマンドが加わったことでさらにヒートアップし、人混みはいつの間にか通路からホームに移動していたが、駆けつけた駅員によって乱闘は収まり人は散らばって言った。
ホームのベンチに座って「今度は何が原因?」とスーザン。「向こうからぶつかってきたくせに僕に謝らせようとした。だから殴った」とピーター。
「いつも子供扱いされてうんざりしないか」
「だって僕ら子供だろ?」
「大人になったこともある。あれから1年、いつまで待たされるんだろう」
「この世界に生きてるってことを受け入れなきゃ。思い出に浸ってたってだめよ」
ピーターの言葉にスーザンは苛々していた。
「痛い!」
急にルーシーが声を上げて座っていたベンチから立ち上がった。
「ちょっとルーシー、騒がないで」
「だって誰かにつねられたんだもん」
「おい引っ張んなよ!」
「僕は触ってないよ!」
ピーターたちに次々と不思議なことが起きる。ルーシーは目を輝かせて「魔法みたいな感じ」と言った。
「みんな手を繋いで!」
スーザンの言葉に4人は手を繋ぐ。
と同時に駅のホームに列車が入ってきて、強い風と共に駅の壁は崩れ、気づけば目の前には青い海と白い砂浜が広がっていた。
4人は顔を見合わせると一勢に海へ向かって走り出した。海に入って水をかけ合って遊んでいると、エドマンドがあるものに気づく。
「ナルニアに廃墟なんてなかったよ」
4人は廃墟へ向かった。そこは、王だった頃のピーターたちが住んでいたケア・パラベルだった。
「ここ、自然に崩れたんじゃない。攻め落とされたんだ」
ピーターとエドマンドは近くの石壁を動かし、宝蔵へ降りるための扉と階段を見つけた。エドマンドが持っていた懐中電灯を持ち、慎重に下へ降りていく。
「信じられない、全部残ってる」
「でももういないのね。タムナスさんもビーバーさんも…みんな…」
ひとまず、何が起きたかを調べるために4人はそれぞれ剣や盾、弓矢などを宝蔵から取り出しその場をあとにした。