「お前はなんだ?」
「彼女は僕らの天使だよ」
「天使?」
ミラーすはまたも納得のいかないという顔。
「正確にはピーターの、だけど。彼女が何か?」
「いや。それより、そんな申し出もなぜ受けねばならない?こちらは夜までに滅ぼせるというのに」
「まだ僕らの戦力を見くびってるの?大体、一週間前までナルニアは滅びたと思ってただろ」
「またすぐに滅びる」
「じゃあ何も怖くないね」
エドマンドはミラースに挑発的な態度をとる。それにミラースは声を出して笑った。
「怖いかどうかの問題ではない」
「だったら勇気を持って子供の挑戦を断るわけだ」
エドマンドの言葉にミラースは身を乗り出した。
「断るとは言ってない。…そうだな、そこの女を捕虜としてこちらに差し出すのであれば、誘いに応じよう」
「なんだそれ!?」
ミラースのめちゃくちゃな提案にエドマンドは困惑した。しかし、当のアンジーはあっさりと「いいわ」と答えた。
「その代わり、一騎打ちではずるはなしよ」
アンジーはミラースを挑発するようににっこりと笑った。
「いいだろう」
ミラースも不敵な笑みを浮かべ言った。
「貴様」
ミラースは机の上に置かれていた剣を取りエドマンドに向け、
「兄の剣がペンよりも強いことを祈った方がいいぞ」
低い声で言った。
塚山にエドマンドが1人で戻ると、当然ピーターが「アンジーは?」と聞いた。エドマンドが理由を話すとピーターはエドマンドの胸ぐらを掴んで怒鳴った。
「なんで引っ張ってでもアンジーを連れて来なかったんだ!!」
「仕方ないだろアンジーが戻らないって言ったんだから!!」
「やめてピーター!」
「今は争ってる場合じゃない!急いで戦いの準備をしなければ!」
ルーシーとカスピアンが止めに入る。ピーターは舌打ちをしてエドマンドを離した。
「どうしてなんだアンジー…」
「もしかして私がアンジーを責めたから…?」
ルーシーが今にも泣き出しそうな声で言う。ピーターがルーシーを抱きしめて「大丈夫」と言った。
「ルーとスーも早く準備をして」
「わかったわ…ピーター、気をつけて」
「ルーも気をつけて」
ミラースたちはアンジーを連れてすぐに塚山の前までやってきた。