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「アンジーを返せ!」

ミラースが連れてきたアンジーには幸い外傷などは見られなかった。

「返せ?この女が自ら選んだことだ」

その通りで、アンジーはピーターに助けてとは言わなかった。

「この女、何を聞いても絶対に口を開かない。これだけ口が硬ければこちらのスパイとして重宝してやったんだが。どうだ?今からでも遅くない、我々の仲間にならないか?」

ミラースの問いにアンジーは鼻で笑って「ならないわよクソが」と言った。瞬間、ミラースはアンジーの頬を手の甲で殴った。

「アンジー!!」

ミラースに切りかかろうとするピーターをエドマンドが必死に止めた。
アンジーは口の端から血を流していたが、静かに笑っていた。

「ほう、天使でも血は赤いんだな」
「当たり前じゃない。元は人間なんだから」

なおも笑って答えるアンジーにミラースは気味が悪くなってアンジーを突き飛ばした。

「王様が負けないことを祈るんだな」

いよいよピーターとミラースの一騎打ちが始まろうとした。

「危うくなった時はわかっているだろうな」
「お任せ下さい陛下」
「なっ…ピーター!っ、!」

ミラースが何か企んでいるのを知りピーターに伝えようとアンジーは声を張ったが口を塞がれてしまう。

「王座をかけてあと何人が死ぬだろうな」
「あと、1人だ」

そして一騎打ちが始まってしまった。
一方でスーザンとルーシーは馬に乗って森を走っていた。そしてそれを追うテルマール兵。

「見つかったわ!」

スーザンは途中で止まって馬から降りた。

「轡を持って」
「どうするの!?」
「ごめんルーシー。この先は一人で行って」

スーザンはそう言うと馬の臀部を叩き馬を走らせた。そしてスーザンは弓を構えた。ルーシーは一度止まってスーザンを見たが、目が合うともう一度走り出した。
迫るテルマール兵をスーザンは迎え撃つが、馬に体当りされ倒れてしまった。しまったと思った時、カスピアンが現れた。

「角笛がいるんじゃない?」

カスピアンはスーザンを馬に乗せ、塚山へ向かった。
ピーターとミラースの戦いは接戦で、やってはやられやられてはやり返しの繰り返しだった。ちょうどそこへスーザンとカスピアンが戻ってきた。

「ひと休みしたいか王様」
「5分」
「3分だ!」

その言葉で一旦2人は剣を下ろした。

「ルーシーは!?」
「逃げ切ったわ。彼のおかげよ」

スーザンはカスピアンを見て言った。

「ありがとう」
「君は忙しいから」

カスピアンはピーターを見たあとに後ろのアンジーを見た。