07






「さぁ、アンジーを返してもらおうか」

ピーターの言葉にミラースの部下はアンジーを解放した。しかしアンジーはその場から動かない。ピーターがアンジーの傍へ行こうとした時、目の前の部下に支えられていたミラースが倒れた。ミラースの背中にはスーザンの矢が刺さっていた。

「裏切りだー!奴らが!王に弓を放ったー!」

それはミラースの部下が図ったことだった。

「用意しろ!」

ピーターが塚山の方を向き仲間に指示を出す。

「ピーター!」

カスピアンはピーターの背後を指差す。
ピーターが振り向くとそこには腹を刺され前のめりに倒れるアンジー。
ピーターは一瞬目の前が真っ白になり、何が起きたのかわからなくなった。時間が止まったような感覚に陥る。

「武器を持て!テルマール軍!」

テルマール軍の方から石が飛んでくる。テルマール軍にはいくつもの投石機があった。

「ピーター!」

エドマンドに呼ばれやっと状況を把握したピーター。急いでアンジーの元へ駆け寄る。辛うじて息はあったが、瀕死の状態だった。

「ピーター!!」

顔をあげればテルマール軍がこちらへ向かってきていた。
今ここをピーターが離れるわけには行かない。それはピーターもわかっていた。ピーターは心臓が潰れるような思いでエドマンドにアンジーを預け、立ち上がった。エドマンドはアンジーを抱いて後ろに下がった。
それを見てカスピアンと谷あらしは塚山の中へ入る。

「1、2…」
「3、4…」

数を数える。

「8、9、全軍用意!!」
「今だ!」

するとテルマール軍が走っていた地面が一気に崩れる。そこへスーザンたち弓部隊の矢が降り注ぐ。

「行けー!」

走り出したピーターの目には涙が浮かんでいた。
テルマール軍とナルニア軍が激突する。
最初こそはナルニア軍の方が有利に見えたが、ナルニア軍がどんなにテルマール兵を倒してもテルマール兵は後ろにまだまだ控えていた。
空からもグリフォンが攻撃を仕掛けたが撃墜される。

「ルーシーは…!?」

ピーターはスーザンを見るが、スーザンは横に首を振った。

「全軍戻れー!」

ナルニア軍が塚山の方へ戻ろうとすると、飛んできた石に塚山を破壊され、入口が塞がってしまう。

「全員殺せ」

ピーターたちは戦うしかなかった。