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ルーシーはテルマール兵に追われ森を走っていた。追いつかれそうになったとき、ルーシーは森の奥の方に何かを見つける。
その何かはルーシーの前に姿を現すと低く唸った。正体は立派な鬣を持った大きなライオン。そのライオンはテルマール兵を追い払うとゆっくりとルーシーの方を向いた。

「アスラン!」

ルーシーはアスランへ駆け寄り勢いよく飛びついた。

「やっぱりあなただった、私わかってたの。でも、みんな信じなくて…」
「わかっていてなぜ会いに来なかった」
「ごめんなさい…1人は怖かったから。でも、あなたに来て欲しかった。なぜ前みたいに助けてくれなかったの?」
「同じことは2度起きないのだよルーシー」

それはルーシーが夢で聞いた言葉と全く同じだった。

「もっと早く来てたら、死んじゃったみんなも死なずに済んだ?」
「過ぎてしまったことはもうわからない。だがこれからどうなるかはまた別の話だ」
「みんなを助けてくれる?」
「もちろん。君と一緒に。さて、君の友達は眠すぎだと思わないか?」

アスランはそう言うと空へ向かって吠えた。すると不思議なことが起きる。
木が地面の上を歩いている。根がテルマール兵を次々と薙ぎ払う。

「ルーシーだ」

木は根を伸ばしテルマール軍の投石機を破壊した。
疲弊していたナルニア軍に覇気が戻る。

「アスランのため!」

もう一度ピーターたちは走り出した。

「ここでは勝てません!川におびき寄せましょう!」
「立て直す!」

テルマール軍は一斉に川へ向かって走り出した。ピーターたちもその後を追う。
テルマール軍が作った橋まで来ると、向こう側からルーシーとアスランが歩いてくる。テルマール軍は一瞬戸惑い止まったが、再び進軍を始めた。それに向かってアスランが吠えると、川の向こうから大きな波が押し寄せてくる。波は大きな人型となり、橋を持ち上げた。そして橋を飲み込んでしまった。
それを見たテルマール軍は次々と剣を捨て、降参した。戦いは終わったのだ。
ピーター、エドマンド、スーザン、カスピアンはアスランの元へ。アスランの前まで来ると4人はその場に跪いた。

「立て、ナルニアの王と女王よ」

その言葉にカスピアン以外の3人が立ち上がった。

「お前もだカスピアン」
「まだ相応しくはありません」
「そう思えるからこそ相応しいのだ」

カスピアンも立ち上がる。
するとそこへリーピチープが運ばれてきた。ルーシーが駆け寄り、薬を飲ませるとリーピチープは目を覚ました。リーピチープは戦いで尻尾を失っていた。

「隊長が尻尾なしで生きていくのなら」
「仲間の友情に免じて」

アスランがリーピチープに息を吹きかけると、リーピチープの臀部には再び立派な尻尾が生えた。