異端者達 12
© 2019 sasori_bi
噴き出す赤い液体は、辺り一面にその土の色を変えた。何かが草むらの中に落ちる、ぼとりという重々しい音がした。怖気が走るような音の正体を確かめようとするフローレインを、クランカイトは制した。
「見るな!!」
クランカイトの大声に驚いたように、フローレインが身動きを止める。
クランカイトとユージオは目を背けることもできずに、その光景に見入った。
幾つもの首が地面に転がっている。開いたままの瞳はすでに光がなく、視線はどこにも向いていない。頭と切り離された胴体は、まるで糸の切れた人形のように次々と倒れ込む。
くぐもった音を立てて繁みの中にするりと落ちたのは、土地神を信仰する証だという首飾りだった。
――切られた首から紐が滑り落ちたのだ。
白い骨が覗く生々しい切断箇所を目にした途端、クランカイトはたまらず目を背けた。
「――――――ッ……」
あまりに凄惨なその光景が、目の前で起こっている出来事だと受け入れられなかった。
目の前の光景を心が拒絶しているかのようにまるで現実感がなく、自分の見えているものが本当なのかどうかすらわからない。なのに、頭からは血の気が引いていく。ドクドクと心臓が大きく早鐘を打って、何度呼吸をしても息苦しさが少しも消えない。手が震えてうまく力が入らない。
ユージオは目を背けない。身体が強張って、目を背けることもできないというのが正しいか。
薄々は背後で何が起きているのか見当がついているのだろう。フローレインは震える声で小さく呟く。
「何が……あったの」
「振り向くな。……お前は見なくていい」
「そんなの……」
フローレインはそれ以上の言葉を失くす。クランカイトとユージオはよろけるようにその場にへたり込んだ。
誰一人として生きていなかった。
先ほどまで会話していたはずだった。生きていて、その手に触れた。現状を打破する解決策を見出して喜んでいた。――それなのに。
一体どうしてこうなったのだろう。
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