再会は、月の美しい夜だった。

学園の中が妙に騒がしいと音を便りにやって来た六年長屋の端。
同じは組の食満留三郎と対峙しているその姿に僅かに息を飲んだ。

帰ってきたのか、建穂実継。

瞬きの間すらなかったその勝負は、奴の力がまったく衰えていないどころかより進化していることを如実に示しただけだった。

帰ってきた。
私が初めて仲間と思えた建穂が…やはり戻ってきたのだ。

奴の技術の源となったであろう忍務のことを知ったときは驚きはしたがやっと納得できたという思いだった。
この学園の中で過ごしているだけではない力を持っていると感じていたからかもしれない。
二年の時の夜営実習の後で授業で奴と組むことはなかったが、度々その姿は目にしていた。
ただ年月を重ねるほどに奴の姿は学園の中から消えていくことに気付いたのは五年の時だったが…。
同じ組でもなかったからな、奴の動きを逐一知れたわけではなかった。

だがもう六年だ。
ある程度の自由もある。
時間も少なからず、ある。




ガラッ


「…ん?」
「あ、」

部屋から出ようとしたところで、目の前には一人の女。
……いや違う、こいつはまさか…!?

「…お前、建穂実継か?」
「…如何にも」

…なんてことだ、まさかこんなに早く遭遇するとは!
話し掛ける機会はもっと先に持とうと思っていたが…情けないがまだ何を話せばいいのかと考えていた最中だというのに…!


いや、寧ろ絶好の機会ではないか?


「……それなら少し寄っていけ」
「…は?」

「その化粧を作法委員会委員長である、この立花仙蔵が手直ししてやろう」





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