私は、箱の中に閉じ込められた何者でもないのかもしれない。
小学生の頃、ふと周りにいた同級生を見て思ったことがある。
『この子たちは何で同じ場所に集められて、同じことをしているのだろう』
それは私も同じことだったのだが、当時はひどく奇妙に思ったものだ。それは、中学、高校で制服を着せられ、規則が一層厳しくなったことで、ますます息苦しく感じるようになる。同じ制服、同じ髪型、同じ動き――学校側が規則でがんじがらめに縛りあげ、私たちの個性は殺されてゆく。
大学に入っても、失った個性が戻ることはなく、みんな疑問に思うことなく同じような恰好をしている。それが私には気持ち悪くて仕様がないのだ。個性を殺され、他人と区別がつかなくなった私は一体何者なのだろうか。
私には分からない。
そのことが、酷く、私を苛つかせる。