人一倍弱虫で寂しがりやで、それでいて目立たない私は人より少しだけ泣き虫だった。
自分から「消えてしまいたい」とか「居なくてもいいんだ」って思ったら、本当にすぅと見えなくなって透明になって……そうしたら本当に誰にも気づかれなくなった。
そうして消えてから分かったことがあった。私の本当の弱さ、臆病なところ。
みんなは私を仲間に入れてくれようとしたのに、自分から拒んで結局一人ぼっちになってしまった。
一人はつらくて、寂しくて、怖くて。
だから放っておけなかったの、あなたのこと。
『好きな時に一人になれるだろ』
一人であることを何とも思わないあなたはまるで昔の私を見ているようで、いつか私みたいに本当に一人ぼっちになってしまうんじゃないかって。
そう思ったら悲しくて、寂しくて、不安になって、
(あ……)
気が付いたら泣いていた。あなたは目を丸くして、それから慌てたような顔つきになった。私はあなたを困らせてしまったことに気が付いたけれど、「恥ずかしい」と思った瞬間、その場から逃げ出してしまった。
私はいつまでたっても臆病なままだった。でも、
『あの話の続きが聞きたくて!』
私から逃げずに話を聞きに訪ねてきてくれたジンくんが嬉しかった。
私はあなたに自分の気持ちを伝えないまま、その場から逃げ出してしまったのに、あなたは私の言葉を受け止めてきちんと返してくれた。その気持ちがすごく嬉しかったの。
そのうち、ジンくんは皆ともすぐに仲良くなって安心したけれど、少し寂しい気もした。ジンくんも私から離れて行ってしまう気がして。
それでもジンくんは私のこと見ててくれた。……大切に思ってくれた。
『ユノハ・スルール。僕と一緒に、来るんだ!』
あの時、ジンくんが私を連れ去ろうとしたとき、私は泣きながらジンくんに頼んだ。
”みんなを助けて”って。そして、ジンくんは私たちを守ってくれたね。仲間だって、大切だって、そう言ってくれた。その時、私は思った。もしかしたら前から抱いていた気持ちだったのかもしれないけれど、その時初めて気が付いたの。
(あなたと一緒にいたい)
それなのに……
『君に出会えた奇跡に、もう息が止まりそうだよ……。繋いだその手に少し強くなれる気がする……。だから……』
どうして……どうしてなの……ジンくん……。
あなたがいなくなった瞬間にこの世界は色あせて、私は呼吸をすることさえ苦しくなった。ジンくんがいなくなった世界でどうしていいのか分からなくなった。
このまま透明になれば、消えてしまえば、あなたと一つになれると思った。
でも、出来ないよ、そんなこと言われたら。
『一万年と二千年前から愛してる。八千年過ぎたらもっと恋しくなるよ』
私も、だよ……?
あなたに出会えた奇跡に息が止まりそうなの。
繋いだ手から強くなれた気がする。
明日も、未来も、たまらなく、好きだよ。
だから、もう泣いたりしない。
『僕はもう二度と見たくないんだ!……君の涙は』
大丈夫、もうあなたを思って泣くのはこれで最後にするから。
「ジンくん、大好きだよ」