君の傍

一つ大きな欠伸をすると、隣でくすくすと笑う声が耳朶を打つ。
「エースってばまた欠伸してる」
「しょーがねーじゃん。授業眠くなるんだよ。それに、」
「なあに?」
佳音に顔を覗き込まれて、一瞬息が止まる。
――お前が傍にいると、どうしようもなく心地がいい。
そう思った途端にどうしても隣にいる佳音の顔が見れなくなって空を仰いだ。