カラリ、と襖を開けると、そこには正に絶景と言っていい景色が広がっていた。
「綴くん!すごい、景色すごいっ!!」
「だな。でもちょっと落ち着けよ」
興奮している彼女に思わず苦笑が漏れる。でも嬉しそうな顔で部屋を探索している姿を見ると、何というか…来て良かったって思う。
普段は劇団優先にしちゃってるから、あんまりデートもできないし。脚本の執筆にかかりっきりになると連絡すらしなくなる。我ながらひどい彼氏だな、って思う。だけどそれでもいいよ、と言ってくれる彼女だから、時間ができた時は何でもしてやりたくなるんだよ。
「あとで中庭行ってみるか」
「うん!」
今日はとことん甘やかすって、そう決めたんだ。