■情報屋パロ
表向きは人の良い笑みを浮かべる、カフェの店長さん。でもその裏の顔は、どんな情報でも手にいれる凄腕の情報屋。それが私の飼い主である万くんだ。
飼い主って言うと万くんはとても嫌な顔をするんだけど、でも死にかけていた私を拾ってくれたのは彼だし、いまだに面倒を見てくれているのだから飼い主だと言っても過言ではないと思うんです。それでも彼は飼い主じゃない、と否定する。それは私が人間だからだって。仮にも裏の世界で生きている人が、そんなことを言うとは…と驚いたのは、今でもよく覚えている。
「でも最近は相棒って言われたいなと思ってるんですよ。どうですか」
「どうですかって、…またえらく急だなぁ。どうしたの?」
「やまくんとりゅうくん、相棒なんでしょ」
「ああ…組んで仕事してるからね、そうなるんじゃないかな」
「だから私も!そう言われたい」
はいっ!と片手を挙げて、高らかに宣言すれば万くんは困ったように笑って、口を開いた。
「君はとっくに俺の相棒でしょ」
「…とっくに?」
「そう」
「私、万くんの、相棒?」
「相棒だよ。少なくとも、俺はそう思ってたけど」
君は違ったの?
首を傾げてそう言われてしまったら、違うだなんて言えない。言いたくない。勝手に緩んでいく頬をどうにもできなくて、だらしない笑みを浮かべてマグカップに口をつけた。