大和さんと十さんと万理さん

■情報屋パロ

その人は闇に溶ける鴉のようだ。それが最初の印象。

「ドーモ、『クロウ』さん?」
「今日は彼女、一緒じゃないんですね」
「家でうたた寝中―――そっちはこれからお仕事かな?」

漆黒の髪を靡かせ、くるりと振り返ったその人は昼間とは違う好戦的な笑みを浮かべている。万理さんの裏の顔、『クロウ』。裏の世界じゃ有名な情報屋だ。俺達も何度か世話になってるし、あっちから手伝ってほしいって依頼されることもある。

「ま、そんなとこです。でもちょーっと厄介な案件で…」
「ふぅん?『ドゥーエ』くんがそんな風に言うなんて、珍しいね」
「依頼自体はとても簡単なものなんですよ。ドゥーエが厄介って言っているのは…」

俺の相棒・龍さんこと『ディエーチ』が困ったような笑みを浮かべ、万理さんはキョトンとした顔で首を傾げた。
どうやら今、急ぎの仕事の最中とかではなさそうだな。ちょっと協力してもらおう。報酬?この人相手なら、ちゃーんとお支払いしますよ。そうじゃないと協力もしてもらえないからな。
昼間はお人好しって感じの人だけど、実際はかなりシビアだからね?この人。

「厳重なセキュリティ、ねぇ…」
「俺達なりに情報は漁ったつもりなんだけど、どーにも最深部までいけなくってさぁ…クロウさんならイケっかなって」
「うーん…そうだね、これなら多分―――でもきっちり報酬は頂きますよ?」
「へいへい。わかってますよー安心してください」