悪魔の囁き


「いいの?私とお茶なんかして」
「どういう意味だ?」
「アイツらに見られたらタダじゃ済まないんじゃない?―――安室くん」
「ああ…何だ、心配してくれてる?」
「なんっでそういう解釈するんだろ、君って…おめでたい頭だなぁ」
「そういう解釈しかできないでしょう?さっきの言動は」
「別に心配してるわけじゃないっての。私のせいで殺されたら気分が悪い、それだけよ」
「だったら誘いにのらなければいいのに。律儀ですよね?工藤って」
「……」
「そういえば、かなりの重傷だったと聞きましたけどもういいんですか?」
「誰に聞いたの、…ってコナンくんしかいないか」
「ええ、そうですね。記憶も失ったと聞きましたが…どうやら取り戻してしまったようだ」
「そこまで聞いたの?」
「もっと早くに聞いていれば、僕が貴方の恋人だって刷り込みができたんでしょうが」
「できるわけねーでしょ。忘れてたのは特定の人物のことだけ。君のことはバッチリ覚えてたもの」
「え?そうなのか?」
「あまり詳しくは聞いてなかったのね」
「…本気で僕のものになる気はないのか?工藤」
「ないわよ―――私が愛する人も、ついていきたいと思うのも生涯ただ一人だけ」
「本当、とことん邪魔をしてくれるんだな。あの男は」
「あら、誰のことを言っているのかしらね?」
「さあ?誰のことでしょうね」


僕だってアイツの仕事と変わらないくらい、危険なものだろう。だけどそれでも、アイツよりは確実に彼女を幸せにしてやれる、と変に自信を持っていた。
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