Wo k*ssen Sie sich?
「ねぇ、ファイ。キスして?」
「……へ?」
次元移動した先の国はすごく平和で、目立った争い事がない所だった。
羽根の気配もなかったんだけど、たまにはゆっくりしようってことになってね?しばらく滞在することになったんだー。
そんな天気の良い昼下がり。
他の皆はそれぞれ出掛けていって、オレは彼女のなまえとリビングのソファで読書をすることに。
…だったんだけど。なまえサン、突然変なことを言い始めましたー。
「どうしたのー?急にそんなこと言い出して」
「んー…したくなったから、じゃ理由にならない?」
今度は上目遣いで聞いてきましたよ、この子。
そういう仕草に男は弱いってこと、わかってやってるのかなぁ?…いや、わかってないだろうねぇ。絶対。
何てったって、オレがなまえのことを好きだってこと…全然、気がついてなかったくらいだし。それくらい鈍い子で、付き合えるようになるまでも大変だったんだよなー。
小狼くんやサクラちゃん、黒様でさえオレの気持ちに気付いてたっていうのにねぇ。
まぁ、それはひとまず置いておいて!なまえはめちゃくちゃ鈍い子だから、こういう男を誘う仕草っていうの?知らないと思うんだよー。
…だから、今やってるのはきっと無意識なんだろうけども。無意識って怖いなぁ。
「ファイ…ダメ、かな?」
「ダメじゃないよー。でも理由は知りたいかなぁ」
「してくれたら…話す、から」
そう言って、オレから目を逸らした彼女。
どんな顔をしているのかわからないけど、耳が真っ赤になってるから照れてるのかな?
自分で言い出したけど、恥ずかしくなってきちゃったんだねー。
可愛いなぁ、相変わらず。キスくらい、いつでもしてあげちゃうけどね。なまえにだったらさ。
逸らされた顔をオレの方に向けて、そっと唇を重ねた。
わざとリップ音をさせて、唇を離してみれば。さっきよりも顔を真っ赤にさせたなまえ。
これ以上は赤くなれないってくらいに、真っ赤。
でもすぐにホッとしたように微笑んでた。…どう、したのかな?
「それでー?教えてくれるんでしょ?急にそんなこと言い出した理由」
「あ、うん。実は今読んでいた本にね―――」
なまえが話してくれた、キスをせがんだ理由。それはとっても可愛らしいもので。
すっごく、すっごく可愛かったから…もう一度、唇を重ねてギューッと抱き締めた。
「キスをする場所によって、意味が違うんだって。だから、ファイは何処にしてくれるのかなぁって思ってさ…」
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