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まぁ、そんなわけでー…追いかけられる側に指名された子達が、校庭に集められました。
ちなみに追いかけられるのは…サクラちゃん、ひまわりちゃん、知世ちゃん、小龍くん、静くん、ユゥイ先生、そして私。
追いかけてくる鬼は、それ以外の生徒と教師達。
追いかけられる側と追いかける側の比率、おかしいんじゃないかしら?前にも思ったけど。それとも鬼ごっこって、こういうもの?
「何だかワクワクしてきますねー」
「ひまわりちゃん、楽しそうだね…」
「頑張って逃げ切ろうね!サクラちゃんっ知世ちゃんっ」
「ええ、頑張りましょう」
あー…女の子同士が笑い合ってるのって、見ててほんわかするなぁ。
可愛い女の子は正義だと思うのよね。うん。
「…先生って時々、親父みたいな思考回路してますよね」
「あら、失礼だね静くん!女性に向かって親父みたい、だなんて」
「クスクス…なまえちゃんは女の子の方が好き?」
「可愛いモノ・人は無条件で大好きです!」
「じゃあ、黒鋼先生は?お世辞にも可愛い、とは言えないと思いますけど」
「しゃっ小龍くん?!!」
「あ、全校生徒・教師公認の仲ですよ。黒鋼先生となまえ先生」
…鬼ごっこが始まる前に、衝撃の事実を聞いたような気がします…。
「さて、そろそろ時間じゃないかな」
「あ、本当だ。小龍くん、静くん、ユゥイ先生は大丈夫だと思うから心配しないけど、女の子達は気をつけるんだよ?」
「なまえ先生も気をつけて下さいね?先生、すっごく人気あるんですから!」
「私は足に自信あるし、大丈夫よ」
そう言ってにっこりと笑えば、サクラちゃん達は更に表情を曇らせた。
…え、私そんなに信用ないですか…?
「なまえちゃんの大丈夫、ほど…信じられないものはないよ?」
「え、嘘」
「本当ですよ。毎度、それで黒鋼先生やファイ先生に怒られてるじゃないですか」
だから、小龍くんはそういう情報を一体何処で仕入れてくるの?!
聞くの怖いから、絶対に聞かないけどね!
「〜〜〜私のことはさておき!とりあえず逃げましょうっ時間だし!」
「知世ちゃん、ひまわりちゃん。一緒に逃げよう」
「うん!」
「では行きましょうか」
「俺達も行きます。…なまえ先生、きっと黒鋼先生が真っ先に捕まえに来てくれますよ」
…小龍くん。貴方、本当に小狼くんと血繋がってるの?
***************
「っきゃーーーー?!!」
「なまえ先生ーーーー!待ってくださぁーーーーいっ!!!」
「この状況で待つ人間が何処にいるのよぉおおおっ!」
鬼ごっこが始まって5分。
そう。まだたったのそれだけしか経っていないのに、私大ピンチに陥っております!!!
追いかけてくる、大量の人。
何で?!ねぇ、どうしてなのかなぁ?!!他にも追いかけられる側の人達がいたはずなのに、どうしてこんなたくさんの生徒(+教師)に追いかけられる羽目になってるのかがわかりませんよーーー!!!
てか、私みたいなオバサンなんか捕まえてどうするつもりなのっ
(魅力的な人ほど、自分の魅力に気がついてないんだよねぇ byファイ)
「どっどうしよ…!こんな人数に追いかけられてたら、教室に隠れることすら出来ないじゃないー」
とにかく見渡す限りの人、人、人、人!!!
本当に一面、人の海みたいな感じになってるんだよね(例えが悪すぎ)。
この学校、廊下も無駄に広いからひしめき合った人達が怪我するとかはないと思うんだけど。
それでもやっぱり、一教師として生徒の安全は気になる所なんだよ。皆、大事な教え子だからね。
その大事な教え子達に、今追いかけられてるんだけどねっ!
そんなわけで。いまだに半泣きの状態で廊下を疾走中の私なんですが。
目の前に迫る下の階へと行く為の、階段。これを普通に降りたらきっと捕まってしまう。…こんな早々に捕まるのはごめんだ。
それに公私混同と言われようが何だろうが―――
「捕まるのなら、彼がいい…」
どうせなら最愛の、彼に。眉間にいつも以上のシワを寄せて、校内を走り回ってるであろう…黒鋼先生。私は貴方に捕まえて欲しいな。
それを考えると、尚更こんな所で捕まっていられない。
てか、そう簡単に捕まるなんて私のプライドが許さないもの!(←負けず嫌いです)
その為には、この階段を一気に降りるのが一番良い手だよね。きっと。
―――バッ
「?!先生っ?!!」
「…私はそう簡単には捕まらないわよ?」
手摺に足を掛け、驚く生徒達を横目に私は―――階段を、飛び降りた。
―――ダンッ
無事に着地成功!…ちょっと足がジンジンするけど!
これで生徒を撒くことが出来るはず…と、一安心してたんですけれども。
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