傍においておくれよ
「ん。」
二階堂さんと私しかいない事務所。黙々と仕事に打ち込んでいたら、彼の声が聞こえた気がして顔を上げる。
すると、すぐ傍に二階堂さんは立っていて何故か腕を広げていらっしゃる。
「ええっと、何ですか?」
どうにも彼の行動の意味がわからなくて、苦笑を浮かべながらそう問いかける。二階堂さんはゆるりと笑みを浮かべ、ぎゅーってしてあげようと思って。と口にした。
「…嫌?」
「嫌では、ないですけど……」
というか、その聞き方は非常に意地悪だと思う。私が貴方にされて嫌なことなんて、そう多くはないのだから。
この人はきっと、わかっていてこう問いかけている。そして嫌だ、と言わないことも。