心からのおめでとうを、貴方に
「百さん」
テレビ局の廊下を歩いていたら、凛とした声に名前を呼ばれ振り向いた。そこには昔から可愛がっている彼女が、小さく手を振って立っていて思わず笑みが零れる。
「久しぶりじゃん!収録?」
「はい、歌番組の」
「MEZZO"新曲出してたもんね」
世間話をしていると、彼女の手に大きな紙袋が握られているのを発見して、自然と首を傾げてしまった。
それに気がついたらしく、にっこりと綺麗な笑みを浮かべて紙袋をオレに差し出した。
「お誕生日おめでとうございます。これは皆さんからで、」
一度言葉を切って、肩からかけていたカバンから小さな包みを取り出してまた笑う。
「これは私からです」