どちらかが相手を拘束しないと出られない部屋


「無限ループってやつか…?」
「うーわぁー嫌だな、それ…」

違うと言いたい。めっちゃ否定したい。でも私達の目の前には新しくドアが出現していて、紙が1枚貼られている。でも書いてある内容がさっきとは違い、『どちらかが相手を拘束しないと出られない部屋』と書かれていた。
拘束…?ロープとかで縛れってこと?いや、それどんなプレイやねんアホ。そもそもこんな所に道具なんて何もない―――と、なんとなしに後ろを振り向いたら、そこには何故かベッドがありました。なんでや。ベッドなんていらないでしょ!あとベッドの上にあるロープとかも!!

「無限ループではないみたいだけど…」
「何でベッドやらロープやらがあるのかが不思議だな」
「この部屋自体、不思議そのものだよ」
「それもそうか…で?今度は拘束しないと出られない部屋だって?」
「そうだね。縛れってこと?」

道具が用意されているってことは、それを使ってってことなのかなぁ…ええー…別に臣くん相手なら何をされてもいいとは思っているけどさぁ。

「…お前、それ本当に俺以外のやつに言うんじゃないぞ」
「言うわけないでしょーよ。臣くんだからだよ」
「………それはそれで色々クるものがあるんだよなぁ」

ねぇ、急に頭抱えないでよ。そんなにぶっ飛んだ発言してないと思うんだ、私。
んー…でもそうか、私が臣くんを拘束するって選択肢もあるのか。やるしかないならやるけど、できることなら臣くんの手に傷をつけたくはないんだよな。足だけ縛るとかもアリなのだろうか。というか、道具を使わないで抱き着いて拘束っていうのはダメなのかな?腕ごと抱え込んでしまえば、ある意味拘束してることになると思うんだけど…その辺、判定ガバガバだったりしない?
ロープやらベッドやらを凝視したまま考え込んでいたら、繋がれたままだった手がスルリと離れていった。どうしたのかと考えるのを中断して臣くんを見上げると、困ったような笑みを浮かべていて首を傾げる。何でそんな顔をしてるんだい、あんたは。

「臣くん?」
「…多分、痛くないと思うから俺に任せてくれないか?」
「うん?…うん、それは全然いいけども」

何をするのか、はたまたされるのかわからないけれど…きっと何か良案が浮かんだのだろう。元より断る気なんて更々ない私は、内容を聞く前に頷いた。
そんな私を見て臣くんはやっぱり頭を抱えてしまったけれど、すぐに気持ちを切り替えたのか私の両手を握って―――そのままベッドへと押し倒された。両手はあっという間に頭の上でひとまとめにされ、彼にがっちりと押さえ込まれてしまっている。
うわ、びくともしませんが…?!

「これでイケるか…?」
「動かせないし、拘束ってことになると思うけど…ダメなのかな?」

無事に開いてください!と祈ったのが通じたのか、再びガチャリと鍵の開く音。そしてドアがゆっくりと開く音。2つの音が聞こえてきてホッとする。どうやらこれで大丈夫だったらしい。
…それにしても、とんでもない状態になっていることに臣くんは気がついているんだろうか?押し倒された時から私はなかなかにドキドキしてしまっているんですが…!そんな意図は一切ないとわかりきっているのに、まるで事に及ぶ前のようで内心やっばいんだけどね!
あまりにも恥ずかしすぎて、臣くんには絶対バレたくない。顔が赤くなっていないことを願うばかりだ。

「開きました、ね…?」
「だな。…これで出られるといいんだが」
「私もそう思うんだけど、何となくまだダメな気がする」
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