互いの結末


…此処は、何処?真っ暗で何も見えないし、何も聞こえない。
人の気配すら感じない…此処には僕しかいないのかな?



―――どうして?



声…?誰か、いるの?
キョロキョロと辺りを見渡しても、そこには闇が広がっているだけ。
一筋の光も、何もない。ただただ、静かな空間がずっと続いている。



―――ねえ、どうして?



あ、また…聞こえた。誰かの声。低くも、高くもない…抑揚もなく響く声。
何かを訴えているような声音だけど、でもやっぱり姿は見えなくて。



―――どうして 殺 シ タ ノ 。



え、と思った瞬間。今まで闇一色だった世界に、鮮やかな赤が広がった。

見渡す限りの 赤、紅、緋、朱。

驚いて足を動かせば、パシャッと赤い液体が跳ねる。
跳ねた液体は服へと飛び、そこからじわじわと赤黒い染みを作っていく。
気がつけば手も真っ赤に染まっていて、片手には赤に染まった一本の刀を握っている。



――― ド ウ シ テ 奪 ッ タ ノ 。

――― ド ウ シ テ 壊 シ タ ノ 。

――― ド ウ シ テ 笑 ッ テ ル ノ 。



何もなかった空間に、薄っすらと形が浮かび上がった。
そこに横たわっていたのは虚ろな瞳をした、綺麗な女性。胸元からは止まることなく、大量の血が流れ続けている。
その傍らに佇むは1人の少年。口から上は闇に隠れたまま、見ることは出来ない。
ふと、動かないはずの女性の口元が動いた。傍らの少年と、同じ言葉を紡ぐ。





「「 ヒ ト ゴ ロ シ 」」
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