6月7日

 目が覚めると、シュウが隣の布団で寝ていて、そういえばいるんだった……としばらくぼんやりしてしまった。
 昨日は夜中にケーキなんぞ食べたものだから、寝坊しそうになって慌てて家を出る羽目になった。会社ではつい後輩のトラブルに首を突っ込み、帰宅したのは深夜だ。シュウは半分寝ぼけたような顔で布団から這い出してきて、いっしょにカップ麺を食べて、またすぐに寝た。オレもさっさと寝た。だから、まじまじと寝顔を見るのはこれが初めてだ。
 相変わらずきれいな顔をしている。
 明るい日差しの中で見ると、なおさらそう思う。昔は黒髪だったのが、今は金髪になっているせいで、いっそう派手になった。
 つまらないような気分になって、丸い頭を軽く小突く。

「おい、そろそろ起きろ」

 土曜日。休日なので寝かせておいてもいいのだが、せっかく晴れているのだし、布団を干したかった。シュウは眉間に皺を寄せた後、ううん、と唸ってから、突然ばちりと両目を見開いた。

「うおっ」
「いま何時」
「えっ、8時過ぎ……9時前ぐらいか」
「………………ああ」

 反射的に身を起こしたようだが、すぐにふっと背中を丸めた。痩せた肩がやけに目につく。

「……お前、仕事は」
「あ? 今日は休みだ。土曜日だし、休日出勤も無え」
「あっそ……」

 うそだろ、とか、なんでこんなに、とかぼそぼそ聞こえたが、とりあえず急ぐ必要はないようなので立ち上がった。せっかくなので、朝食にトーストくらいは焼いてやってもいい。

「メシ作るから、シャワーくらい浴びてこい。昨日ずっと寝てたろ」
「……」

 下から睨まれた。脛でも蹴られるかと身構えたが、何もなかった。
 少しは丸くなったのかもしれない。