6月14日
「オレは朝飯食って買い物に行くけど、お前はどうする?」
「……行く」
回答にはしばらくの間があった。時刻は朝の8時で、シュウはすっかり布団に潜り込んでいたからだ。ちなみにオレはロードワークをこなして、シャワーを浴び終えている。
「眠そうだな。寝付けなかったのか?」
「んー……」
曖昧に濁されたが、顔色はそれほど悪くもない。布団からのそりと這い出して、無遠慮にあくびをひとつする。くしゃくしゃと跳ね回る細い髪に、つい手が伸びた。
「眠かったら寝ててもいいぞ」
「いや、起きる」
振り払われなかったことにおや、と思うが、多分まだ寝ぼけてるんだろう。そのまま頭を揺らすと、犬みたいにふるふると首を振った。
「お前の布団、やたら眠くなるんだけど」
「あ?」
そういえば、昨日はシュウがさっさとオレの布団に入って譲らなかったので、渋々交換して寝たのだった。とはいえ、
「どっちも安物だぞ」
むしろ、普段はしまい込んでいる分、客用布団のほうが状態はいいと思う。シュウは納得がいかないように首を傾けたが、顔を洗うように促すと大人しく立ち上がった。
「……俺もシャワー浴びようかな」
「おう。急がねえから好きにしろ」
「ん」
まだ夏の手前とはいえ、少しずつ気温も上がってきている。そろそろタオルケットに替えないと、寝苦しいかもしれない。
窓の外に目をやると、この数日のうちでは珍しく、よく晴れていた。
空が抜けるように青い。
「暑くなりそうだな」
少しだけそわそわする。夏は好きだった。昔から。