我儘で、欲張りで *
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「…杏奈が、好きなの」
突然の接吻と告白に、彼女は俯いて目を合わすこともせず、返事もないまま。
心配そうな振りをして、顔を覗き込んだ。そしてまた口付ける。
直ぐには離さず、少ししてゆっくり唇を離した。
「……ばか」
逸らされた目には涙が溜まっていて。
「…、へん…たい……」
「うん、変態だよ」
涙声な彼女に、クスッと笑ってしまった。
もっとキスをしていたくて再び優しく触れる。緩んだ唇の間にそっと舌先を沿わせて軽く入れる。
「…っ、ふ」
ピクッと肩を揺らし顔を背けようとする顎を引いて、さっきより深く舌を侵入させる。
声にならない声を上げながら拒絶している中、ゆるりと舌を抜いたり入れたりして口内の粘膜を慈しみながら触れていく。
唇の内側、歯の先や堅く縮んだ舌。唾液を故意的に注ぎ込んで、滑らせる。
「ぅっ、ん……ん…」
淫らな音が響き、苦しそうな絶え絶えの鼻息が顔に掛かる。
余裕を装うのが難しい程、キスで息を上がらせていく姿が可愛くて、自分の呼吸までもが荒くなっていく。
「杏奈の口の中熱い」
「う…」
口の周りについた唾液を彼女は拭い、口を片手で覆い隠して顔を背ける。
「もっとちゅーしたくなる」
「…駄目だよ」
手首を力任せに引いてどけさせて再び唇を合わせる。音を立てて舌を入れた。
――ピチャ。ピチャ…チュク。
「はぁ、…。酷、い」
「可愛い、目がとろんてなってるよ」
口が離れた途端に零れる熱い溜め息。
「そんなことない…」
「いっぱいちゅーしてもいい?」
「これ以上は…」
「だーめ」
「…ん」
唇を押しあて、また舌を押し入れる。
「んん…、く。…っ、んぅ」
飲み切れなかった二人の唾液が溢れて、杏奈の顎の方へ垂れていた。熱くなった口の中へ舌を出し入れして一緒に溶けていく行為は、自然とセックスを連想させた。
「気持ちいいね、やらしい気持ちになってきちゃう」
「知らない。そんなの」
「でも、もう我慢出来ない」
首筋に口づけ、ちゅ、ちゅ、と場所を変えながら触れていく。
その度ぴくりと反応する。
執拗に同じ場所を舌で舐め上げると、震えが大きくなって息を弾ませる。
首筋へのキスを続けたまま胸の膨らみを優しく掌で包んで撫でた。丸みやブラジャーの形を確かめるようにゆっくりと円を描いて手をすべらせていく。
「…だめ」
「ブラの上からでも柔らかいの分かるよ」
「もう、いいから…っん」
頬に口付け、胸への愛撫はやめない。やわやわと撫で回し、時より揉む。
「ん…ふっ」
また唇と唇を触れ合わせて、舌を絡ませた。先程よりも、拒否がなく自然と受け入れられる。
唇の力が抜けて中途半端に半開きのままになっているせいか。
「…ぁ、…っはぁ」
乳房の先端があるであろう付近を執拗になでていると、キスの合間に時より甘い声が漏れ始める。
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