エッセイ *恋愛
鉛筆とあの子
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*もしもの話


後ろからふわりとあの子に抱きついて、耳元で すき と言ったら向こうも照れながら 私も と返してくれるような…

そんな恋人同士になりたいな。





あの時シャンプーのいい香りがした。後ろで1つに結んだ髪の先が私の鼻に触れていた。
因みに髪留めはいつも同じ奴を使っている。べっこ飴の色をしたガラスの中に白い花が入っている正面から見ると丸いの。

「ん……ごめん髪邪魔だった…?」

「ぇ…全然っ」

後ろからもたれ掛かってる私のことを気遣って言ってくれた。今度は私が聞いてみる。

「ねぇ、もしかして重い?」

「ん…ちょっとね」

予想が的中して、何故か可笑しくなって笑ってから、ごめんと付け足した。


「でも広ちゃん軽いから薄っぺらい布団羽織ってるみたい。温かくていいよ」


「へへ、そりゃよかった」




「温かいね、気持ちいい…」

「うん、温かい…」

「今のうちらラブラブやな」

「んー…」

「幸せや…」

「……」




数分後あの子がしている息が深くなった。後ろから抱きかかえて背中にぴったりくっついているからよく分かる。

あ……恋人同士みたいだった。


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