エッセイ *恋愛
鉛筆とあの子
[19/24]


*ケーキと手紙


いくつもの彼女が私のために作ってくれたケーキを思い出すことが出来る。ガトーショコラにイチゴタルト、オレンジケーキに蒸しチーズケーキ。

そしてケーキと一緒に入ってた手紙。

喜ぶ顔を見て喜ぶアナタ。それ見てまた喜ぶ私。








「夢実はあるよ、まず恋人つくって同棲して暮らす。子供なんかいらない」



体育の時間、今まで散々夢なんてないと言いふらしてた私は不意にはあの子にむかって夢を語りだした。

すると彼女は私と目を合わさないようにしながら「うちは子供欲しいけどなぁ…結婚はしなくてもいいんやけど」と少し笑いながら言った。



「夢なんてないわー…」



休み時間今度は友達に溜め息混じりに零した。実は前にあの子が言った子供は欲しいな、という普通の一言がショックで夢なんて語れなかった。


すると友達は私の方に振り向いて、勇気づけるように「前言ってたやん、子供3人作るんが夢なんやろ!」と明るく返してくれた。でもその一言で余計に頭が痛くなった気がした。


「あぁそんなこと言ってたっけ…子供なんかいらんし。私が育てていけると思う?」


冗談混じりに笑顔で答えた。



――――――――――



誕生日祝いのケーキと一緒に手紙が入ってた。綺麗な白い封筒に薄い黄色の薔薇の花が印刷されている。


少しドキドキしながら開けた。軽くしかのりが止められてなかったから簡単に口が開く。


中には封筒とお揃いの便箋。二つ折りで表には封筒と同じ薄い黄色の薔薇が印刷され、紙が所々盛りあがっているので花が浮き上がって見える。


紙を開いたらメッセージが書いてあった。


********************

輝ける18歳ッ!になったあなたは、まだ将来の夢を見つけていないと言ってたけれど、きっと、必ず、絶対100%....やりたいことが、見つかるはず(^v^)

Happy Birthday Hirona!!!!

********************


予想外になんか励まされてしまって苦笑した。考えてること違うな。全然違う。けど単純に嬉しいと思った。


ありがとう。


手紙の文字が愛しくて何度も読み返す。

「Happy Birthday Hirona」



そしてケーキの銀紙を開けてかじった。ほろ苦くて、美味しかった。



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