エッセイ *恋愛
鉛筆とあの子
[22/24]


*大好きな君だからこそ祝福する。


 当たり前な言葉だけどまずは、初音結婚おめでとう。

 多分、私の周りの友達だとか初音の周りの人のほとんどが、こんなに早くに初音がお嫁に行ってしまうなんて予想してなかったことでしょう。

 高校で初音と3年間クラスが一緒だったわけですが、当時彼女は『結婚はしなくてもいいけど子供は欲しい』なんて言っていたんですよ。
 ほんと、そんなだった初音が。

 まぁ、前から初音は落ち着いた癒し系の雰囲気を醸し出しつつ、当時出来の悪い方だった私の面倒を懲りずに見てくれていたので母親みたいでした。
 だから、いつ結婚して本当に母親という存在になったとしても大丈夫だろうなと勝手ながら思ってはいました。

 実はというと、高校生だった私のちょっとした夢が初音の子供になる事だったくらいです。
 なんか初音に育てて貰えたら、私はもっといい子っていうかなんていうか。素直で愛嬌があって、真っ直ぐな考え方が出来る人間になってたんじゃないかって想像しちゃってましたもん。


 初音の子供になってしまいたいくらいに慕っていました。
 と同時に初音が大好きで、私の昔のプリ帳には初音とのツーショット写真と共にコメントで『初音は私の超お気に入りなのさ(ハート)』なんて書いちゃう程。

 だって可愛いんですもの。白くてちっさくて柔らかくて。まるでアザラシの子供みたいじゃないですか?
 でも可愛いだけじゃなくて、しっかり者で努力家な所に私は惚れ込んでましたね。

 東北の短大に行くために、入試の課題となっているデッサンの練習を放課後に毎日残ってしていたことが印象に残っています。

 私の科では初音以上に居残りしてデッサンの練習をしていた人は居ません。
 デッサンの練習用として解放している教室に初音だけしか居ないというのも、珍しくありませんでした。

 夏は教室が薄暗くなるまで。秋はすぐ日が傾いてしまうので、途中から蛍光灯を点けて外が暗くなっても練習してたと思います。

 そんな風にコツコツと、スケッチブックを何冊も埋めていく初音を見ているのが好きでした……。



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