エッセイ *恋愛
藍色の曖昧な世界
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『曖昧な境界』


貴女が帰って、歯を磨こうかななんて思って鏡を覗いてみて気付いた。いつの間につけたの。

首の右側で、襟のついた服ならギリギリ隠れるような場所に小さな紫色のアザが浮かんでいた。族に言うキスマークなんてものだ。


内心、嬉しかった。だって貴女からつけてもらうの初めてなんだから。やっぱり好きなんだろうな。



あいまいなきょうかい



「あのさ、すずと私の関係って何だろう」

「あー、また難しいこと考えて」
「だって…んー」

「恋人未満友達以上でいいんじゃない?」
「そうだね、うん。…あ、………すず」

「ん?」
「……ぅ、」

「どうしたん?ほら、こっち向いて」




「………すずは私のこと好き?」




「好きじゃなかったらこんなことしないよね」
「でも、付き合えないんだよね」

「付き合ってたら、いつか別れが来るんだよ。こういう関係の方が楽じゃない」



「まぁね。私も付き合わなくていいと思う」



「所詮、付き合うなんて遊びの延長戦だと思うんだ」
「んー…」

「そう難しく考えない方がいいよ、ね?」
「うん」

「ね、もっかいちゅーしよっか」
「うん、いっぱいちゅーしよっ」




―――

いつになったら、終わるのかな?
何回きすしたら、本当に選ばれる?


ずっとずっとこのままかも。

そしたら貴女の側に居れるだけで幸せだから、いいなんて言い聞かせ続けるんだろうね。







最後の最後でいいから、私を選んでくれないかな。愛してるって、お願いずっと側に居てって言ってくれないかな。

私は愛してるよ。すずの幸せを祈ってる。



ENDLESS



※「あい」ではじまる20題より

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