07-02
魔術の属性の相互関係も、小学六年生で習う物の性質や規則性、自然の事物・現象の変化や相互関係についての見方や考え方と同じだと、私は考えている。
先に属性の相互関係というものを知っておかないと、攻撃魔術に対抗する攻撃魔術の種類や防御魔術の選択を間違える。
例えば火属性の攻撃を風属性の攻撃で迎え撃つと、火力が上がって周囲に被害を広げてしまう。
間違った判断で魔術を使えば大惨事を引き起こす可能性だってある。それなのにこの世界では、攻撃魔術と防御魔術を実戦に用いた後、中等部後半に
これでは怪我人が増えるばかりか、下手をすれば死人が出てしまうではないか。
「なんという
頭に手を当てて頭痛と共亡びなかったなに湧き上がる
よく亡びなかったな、この国。これ、皇帝に
脳内で今後の方針を決めていると、エドモンが不思議そうな顔で訊ねてきた。
「逆に聞くが、お前はいつ知ったんだ」
「魔術を習い始めてすぐ。自然の規則性と属性の法則って似ているから、照らし合わせたら習わなくても解ることだし。魔力
答えると、エドモンは目を見張った。
「……その戦法はお前が考えたのか?」
「うん。心理戦になるから、色々と
他人から聞いた話では、エドモンは他人に関してほぼ無関心で、付き合いがある人でも表情を変えることは滅多にないらしい。
だから今回のように、はっきりと表情を変えるなんて珍しい。
初日から進んで私に関わった時だって、ギルドマスターのジュリアにも驚かれていたほど、エドモンの人間関係はかなり
まぁ、それはしょうがない。エドモンは私と同じ古代族だから、古代族である私といる方が気楽なのかもしれない。
ふと、ギルドの入口付近にいる四人が、
彼等にも驚かれるほど、エドモンの人間関係は難しかったのだと改めて理解した。
「ジェニファー、マードック、待たせたな」
その時、ギルドの中から一人の男性が出てきた。
三十代後半〜四十代前半くらいの年齢。赤茶色の髪と同色の太い眉に、好戦的な力強さがある茶色い瞳。現在顔に浮かべている、
身長はマードック少年より少し高く、
背中に背負っているものは巨大なハンマーで、鋼鉄の頭は、成人男性の頭部を四つ並べるくらいの大きさ。
男はとても良い笑顔でマードック少年と女性に話しかけた。
「今回の報酬はかなりのものだ! 遠方まで行った
報酬の話で、彼等三人はパーティーを組んでいるのだと理解した。
マードック少年と女性が報酬に喜ばないことに不思議そうな顔をしたが、こちらに気付いて軽く手をあげる。
「エドモンじゃねーか。久しぶりだな! そっちの子は恋人か?」
「「まさか」」
私とエドモンは異口同音で否定した。
男は「ありゃ?」と首を傾げ、マードック少年を見下ろす。
「ところで、何でそんなにびっくりしてるんだ?」
「あ……あのエドモンさんが……! エドモンさんが女の子と仲良くしてるんだ……!」
衝撃から抜けきれないマードック少年の言葉に男は目を丸くする。
彼等の反応で、どれだけエドモンが変わったのかよく解った。
「……そりゃあ確かにびっくりだな。ところで彼女は冒険者か?」
「ああ。一週間前に入った新人らしい」
「つーことはGランクか」
女性が教えると、男は誰もが思うだろう思考を声に出す。
入会して間もないなら初心者ランクだが、戦闘能力があればFランクに上がれる。
だけど……。
「こいつはCランク冒険者だ」
ギルドマスターことジュリアによって、Cランクまで飛び級したのだ。
それを私が言う前に、エドモンが教えた。
「もっとも、Aランク相当の実力を持つがな」
続けた内容に、その場にいる者達は目を見開いて驚愕する。
予想していた通りの反応だけど、やっぱり精神的にくるものがある。
ジュリア、やっぱりFランクから始めたかったよ……。
「だから目立ちたくなかったのに……」
「クラウドを素手で倒した時点で目立っているぞ」
「とどめは
しかも風属性の身体強化で神速になって、遠慮なく蹴り飛ばした。
本当なら更に手加減した方が良かったのだろうけど、あまり長引かせると余計に目立つから一撃で沈めてしまった。
クラウドと戦った時点で、どの道目立つ運命を辿ることは解っていたはずなのに、理解しきれていなかったようだ。
苦笑が浮かんでいると、男が興味深そうにこちらを見ていることに気付く。
「つーことは格闘家か」
「いや、魔術戦士。魔術以外に武器全般も得意だから」
ユニークスキル《万能戦闘》のおかげであらゆる武器を
苦労した過程が脳裏に過っていると、男は興味を持ったのか思わぬ発言をした。
「へえ! なら、俺と一戦やってみないか?」
まさかの戦闘の申し出に周囲にいる者達は驚く。
私も予想外の展開だったため軽く目を見開いたが、少し興味が湧いた。
「私はシーナ。貴方、名前とランクは?」
「キンバリー。Aランク冒険者で、Aランクパーティー『
風格から上位の冒険者だとは予想していたけど、エドモンと同じ最高ランクの冒険者だった。
ますます興味が湧いて、自然と好戦的な薄い笑みが浮かぶ。
「……へえ。戦い
せめて武器を出すほどの実力であってくれると嬉しい。
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