緊急集団依頼
バシレイアー帝国の学校の授業プログラムを五日間で改善することに成功した。
魔女の地位でここまで順調に行くとは思わなくて驚いたけど、鉱山都市オリヒオに早く戻ることができて良かった。
「あっ……あのっ、シーナさん!」
そんな充実した日々を送っている中で、事件が起きた。
冒険者ギルドにて。
Cランク冒険者用の依頼ボードを見に行く前に、ハイジに声をかけられた。張りのある声は、いつもの明るさはなく
「どうしたの?」
「……すみません。緊急依頼ボードを見に行って下さい」
表情と同じくらい硬質感のある声で頼むハイジに、只ならぬことが起きているのだと察した。
自然と眉を寄せて
緊急依頼ボードとは、通常の依頼とは違い、急を要する依頼を知らせる依頼ボード。
通常の依頼ボードと違って二倍以上の大きさで、沢山の人目に触れられるようになっている。
私は受付側に貼られている依頼書を見る。
内容は、ディノゾールとリザードマンの群れの殲滅。
【ディノゾール】
【リザードマン】
Bランクモンスターのディノゾールは、一度
ディノゾールは、はっきり言って恐竜で
リザードマンを率いる高い知能を持つことからSランクモンスターに届くとも言われているし、討伐もAランク冒険者で編成したAランクパーティーでなければ困難を極めると、ネヘミヤ兄さんから注意されたことがある。
……なのだが、二年前に
あの時は一人だったから楽でよかったのだが、今回は集団で討伐しないといけない。
だが、そんな個人的な私情を
「前報酬は銀貨五枚。依頼達成後は小金貨三枚。
「リザードマンの討伐証明部位って小銀貨五枚だろ? それが七枚になってる。リザードマンだけでもかなり
「その分、危険だってことだろ。リザードマンだけでも最低五十匹って……俺には無理だわ。命あっての物種だ」
「リザードマンだけ狙えばいいじゃねーか。『
「私は受けるわよ。この依頼は、オリヒオに近いところにいるから出されてるんでしょ? オリヒオに被害が出たら、私達も危ないじゃない」
あちらこちらで報酬への評価、参加、不参加についての声が上がる。
耳を
目撃情報によれば、ディノゾールは二匹、リザードマンは最低五十匹。少人数で
これは私も参加した方がいいかもしれない。新参者だから
「よお、シーナ」
「ん? ……あ、クラウド? おはよう」
聞き覚えのある声がかけられて顔を向ければ、
肩越しで見上げて
「仕事は慣れたか?」
「まあまあね。最近見なかったけど、護衛の依頼でも受けてた?」
「ああ。帝都まで行ってた」
それを聞いて、内心で引き
私も一週間前から五日間も帝都に滞在していたのだ。その間に遭遇しなくて良かった。もし遭遇したら厄介なことになりそうだし。
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