小学校生活
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芽依の宣言通り、結依と有留は鍛えられた。
死神の基礎である斬拳走鬼を叩き込まれたが、幼い今では限界がある。そこで鬼道を使った遊びで訓練した。
「みぃつけた」
ぽんっと肩を叩かれた芽依は驚く。
「……思ったより早かったな。どうやって気づいたんだい?」
「芽依さんの霊力を辿ったんだけど……あ、
「……その手があったか」
ぽかん、とした芽依は苦笑し、結依の頭を撫でる。
「まさか『曲光』を破ることなく見つけるなんて思わなかったよ」br>「変だった?」
「変と言うか、規格外ですごい」
鬼道には破道と縛道がある。
今回は縛道の二十六『曲光』を使った
いつもは結依と有留が隠れているが、今回は試験ということで芽依が隠れていた。
「それで、俺達の試験の結果は?」
結依の後ろにいた有留が問いかけると、芽依は笑った。
「ああ、合格だ」
芽依の言葉に「やった!」と結依が喜んで有留に右手を
これまでの経験で理解した有留は、結依の手を叩いた。いわゆるハイタッチだ。
二人の子供らしい喜び方に、ほっこりと心が温まる。
「次は鬼事。30分間、瞬歩や鬼道で逃げ切ること。それができれば次に移るから、頑張りなさい」
「今から?」
「今から。10数え終わるまで遠くに行くこと。ただし、この町の外は駄目だからね」
そう言って、芽依は一から数え始める。
結依と有留は急いで瞬歩を使い、それぞれ違う場所に向かって走った。
結果、あと10分のところで捕まってしまったのだった。
季節は巡り、空座南小学校に入学した。
人間社会の中では退屈な日々だが、放課後になれば芽依との修行がある。
結依にとって、学校とは
「今日もつまんなそうだね」
ぼんやりと本を眺めていると、そんな声をかけられた。
チラッと見ると、黒い短髪が似合うボーイッシュな女の子がいた。
「……えっと、有沢さん? どうしたの?」
「かたっくるしいなぁ。たつきでいいって」
有沢
特技は空手で、七歳でありながら実力者だと小耳に挟んだ。
結依は知っている。彼女がこの世界の主人公の幼馴染だと。
「へえ。あんたってほんとに目、かわってるんだ」
「オッドアイっていうの。日本語では
「こーさい……? むずかしーこと知ってるんだね」
それはそうだ。結依には前世の記憶があるのだから。
苦笑する結依に、たつきは首を
「一護もへんなかみだし」
「……一護?」
「ほら、あそこにいるよ。オレンジ色のかみの毛の」
窓側の席を見ると、オレンジ色の髪が特徴的な男の子がいた。
有留の席の近くに座っている彼は……。
(……黒崎一護、ね)
この世界の物語の主人公。
あまり関わる気がないけれど、芽依との修行を考えると、そうもいかないのだろう。
関わるのも時間の問題かと思いつつ、たつきを見る。
「友達?」
「ちがうよ。道場が同じなだけ」
「ふぅん」
たつきにとって、友達というより出来の悪い弟分に近い認識なのだろう。
「それはそうと、あんたは志吹と友達なの?」
「うん。有留とは友達だよ。幼馴染でもあるし」
それがどうしたのだろうか、と思うと、たつきは身を乗り出す。
「この前なんだけどさ、あいつ、五年のセンパイをあっさり倒したんだ」
たつきの情報に、結依は目を見張る。
有留は自分のことに関して無関心だから、何かあっても教えてもらうことは少ない。
「あいつさ、何か習ってんの?」
この質問に言葉が詰まる。
芽依から戦い方を習っているが、異常な内容のため言えないものが多い。
なので、習い事の有無という捉え方で答えた。
「……えーっと……道場とか、通ってないよ?」
「ええっ、うっそぉ! あんなにあっさりたおしたのに?」
たつきは信じられないという顔で目を丸くする。
気持ちはわからなくもないが、とても話せる内容ではない。
「どんな感じで倒したの?」
「かたてでずだんっ!て」
有留は幼さに見合わない力がある。相手の勢いを利用する見極めも
説明は擬音だが、おそらく片手で掴んで地面に叩きつけたのだろうと、なんとなく想像できた。
「何の話をしている」
その時、話題の中心人物が会話に加わった。
「有留、上級生をあしらったんだって? どうして教えてくれなかったの」
「言って何になる」
「上級生の報復とか心配だから。あと、ちゃんと手加減しているのかなぁって」
有留の実力をよく知っている結依は、有留より相手の心配をした。
彼なら心を折るくらい
主に虚が、だが。
「病院送りにならない程度だが……」
「それならいいんだけど」
結依は少し不安そうに眉を下げる。
そんな彼女に、有留は不満げに言った。
「何がそんなに不安なんだ」
「あー……うん。集団だと手加減が難しくなると思って。投げ飛ばしたとしても、相手は受け身とかとれないだろうし。首の骨がやられたら、簡単にあの世逝きだから」
「人間とは不便なものだな」
「有留も人間でしょう」
有留の物言いに苦笑した結依。
一方、そんな会話を聞いているたつきは……。
「あんたたち、ぶっそーだよ……」
物々しい会話に引いていた。
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