勇者に選ばれた実感が湧かないまま国王と顔合わせして、旅立たされた。(省略)
雑なのは許して欲しい。王宮は思っていたよりドロドロした場所で、心が磨り減ったから。
旅費は貰えたが、ほとんどが金貨。一枚一枚が大金すぎて
悩みながらやりくりして、聖剣の他に、胸当てといった軽い鎧を装備。
これから魔王の住む城へ向かうのだが、場所は魔獣が生息する森の奥にあるらしい。
一人では危険すぎるのに、国は騎士や魔法使いをお供につけてくれなかった。
なんて
そんな文句をグチグチと言いながら仲間集めを始めるのだが、魔王と戦ってくれる人なんているはずもなく。
「また失敗かぁ……」
トボトボと、途中で魔獣の被害に遭った街中を歩く。
昨日のうちに町を襲った魔獣を討伐して、町の人々に感謝されたが、やはり仲間になる人の情報は得られなかった。
「もし」
深い
ふわふわした長い金髪に青い瞳の、まさに天使のような美しさ。年頃は俺と同じ十七歳ぐらいだろうか。
「私はイヴ。隣町の教会に住む聖女です」
聖女と聞いて、驚く。
聖女とは、神様に祝福されて特別な力を持つ女性のことを指す。主に怪我や病気を治療することに長けているそうだけど……。
「勇者カイル様ですね?」
「あ……ああ、そうだけど……」
聖女が俺に何の用だろう。
ぎこちなく
「私を、魔王退治の旅に加えてくれませんか」