「きょうはどこにいこうかなー」

るんるん気分で歩く××は宛てもなく彷徨っていた。

「あ、ねこだ」

猫を発見して追い掛ける。
黒猫は、にゃあにゃあと鳴いている。
捕まえて抱き上げた。

「おまえのらねこ?どこからきたの?」

黒猫はにゃあと鳴いて××の頬を一撫でした。

「くすぐったいよ」

少し猫と戯れていると、ぴょんと××の腕から逃げ出して去って行った。

「さて、どこにいこう…」

RRRR…

RRRR…

タイミング良く電話が鳴る。

「もしもし」
「やあ、岸谷だけど」
「しんら、どうしたの?」
「今、暇?」
「うん」
「君の皮膚の調べがついたよ。今からセルティに迎えに行ってもらうけど」
「サンシャイン60にいるわ」
「分かった。伝えておくよ」

そして電話が切れた。
以前に採取した皮膚の調べ…。
まあ部分的に採取しただけだから問題はないと思うけど。




『お待たせ』

セルティが到着し、PDAを見せる。

「そんなにまってないわ」
『後ろに乗ってくれ』

影でヘルメットを形作り、手渡される。
シューターに跨がり、セルティの細腰に捕まる。

「だしていいわよ」

シューターはエンジン音も無しに走り出した。






「やあ、いらっしゃい」
「おじゃまします」

新羅に部屋に通され、ソファに腰掛ける。

「これが君の採取した皮膚。驚いたことに大きくなっているんだ」
「どういうこと?」
「僕にも理解し難いんだけど、血液が流れてもいないし、白血球、赤血球もない状態なのに大きくなってる。1cmくらいだけどね。まったく摩訶不思議だ」
「ふうん…それでわたしはゾンビだってしょうめいされるの?」
「皮膚を採取した時にメスの痕がすぐに治ったから間違いない筈だよ」
「へえ…」

セルティから珈琲を受け取り、口をつける。
うん、美味しい。

「ようじはそれだけかしら」
「そうだね。この後、何か?」
「なにもないわ。たいくつなの」
「それならピザでも取ろうか」
「たくはいピザはたかいわよ?」
「1枚しか頼まないし安いものだよ」
「ベーコンポテトがいいわ」
「はいはい」

電話でピザを頼む新羅。
セルティはチャットをしていた。

「セルティ、たのしい?」
『まあまあだな。この時間は人が少ないし』
「そっか」

数十分して宅配ピザが届いた。
美味しそうな匂いに××の腹が鳴る。

「頂きます」
「ごちそうになります」

ベーコンポテトの美味しさに頬が緩む。
新羅は食べながら××に話し掛ける。

「来良には行ったのかい?」
「おとついね。せいとにあってなかよくなってきたわ」
「そうかい。それは良かった」


RRRR…

RRRR…

話し中に電話が鳴る。

「ごめん、でるわね。もしもし」
『お姫さん、元気にしてるかい』
「おかげさまでなんとか」
『暫く楽影ジムに行ってないそうじゃあないか』
「あしたいくつもりです」
『お嬢さんが心配していたよ。私の所為で来なくなったんじゃないか、って』
「それはわるいことしちゃいましたね…あしたせつめいします」
『お嬢さんの事、宜しくね』
「はい」

通話を切って椅子に腰掛け、ピザに向き直る。

「誰からだった?」
「あかばやしさんです。ちょうしはどうかきかれました」
「そう」
『××、食べ終わったらゲームしよう!』
「ほんとうにセルティはゲームがすきね。ゲームのジャンルは?」
『格闘ゲームだ』
「いっておくけれどわたし、かくとうゲームはつよいわよ?」
『挑むところだ!』

格闘ゲームをやり始めた××達は楽しそうで、成績は××の5勝0敗だった。

『本当に強いな…』
「とくいだから」
『次こそ勝ってやる!』
「ふふ、やれるものならね」

楽しい一時は刻々と流れていった。



猫のように、彷徨いながら


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