「しずおさん、いまひまですか?」
『ああ、今日は休みだ』
「おいしいアイスクリームのおみせ、みつけたんです。いっしょにいきませんか」
『おう、準備したら行くわ』
「ではにしぐちこうえんでまちあわせしましょう」
『じゃあな』
ツーツー、と機械の無機質な音が聞こえる。
「待ったか?」
「さっききたところ。いきましょう」
「ああ」
静雄の隣を、ててて、と歩く。
「…歩くスピード早くねぇか?」
「もんだいないわ。つぎのかどをひだりにおれて、みぎね」
「……」
静雄は何か思うところがあるのか黙り込んでしまった。終始無言が忙しない池袋の街に溶けていく。
「ここよ」
「洒落てんな…」
「はいりにくいならむりしなくてもいいのよ?」
「いや、構わねぇ」
扉を開くとカランカラン、とベルの音が店に響く。
「いらっしゃいませー!ご注文お決まりでしたらこちらへどうぞ!」
「なににする?」
「お前のオススメでいい」
「じゃあ…ストロベリーチーズケーキひとつとチョコミントひとつ、もちかえりで」
「畏まりましたー!」
やけにテンションの高い店員を余所に財布を漁る。
「俺が奢ってやる」
「このくらいだせるわよ」
「俺が出したいんだ」
「そう?ならおことばにあまえて」
「お会計は別々で宜しかったでしょうか?」
「一緒で」
「畏まりました。お会計が880円になります」
着々と会計を済ませる静雄に、自然と頬が緩む。池袋の自動喧嘩人形もこういう時はただの人間なんだ、と思わせられる。否、いつも××にとっては同じだが。
「ほら」
「ふひゃあぃっ!ごめんね、ものおもいにふけってて」
「ん、」
アイスクリームを手渡され、それを一口食べる。甘いチョコと爽やかなミントの味が口内を支配する。
「おいし…。ひとくちいる?」
「ああ」
「こうかんしましょう」
お互いに受け取り、一口食べる。
「こっちもすてがたいおいしさね」
「チョコミントってうめぇんだな」
再びお互いに受け取り、かじりつく。
西口公園に辿り着くと直ぐ様、ベンチへ。
「ん…?」
人の気配にキョロキョロと周りを見渡すが、ランニングしているおじいさんと犬の散歩をしているおばさんしか居ない。
……きのせい、かな?
自己完結させてコーンを食べていく。
「御馳走様」
「わわっ、しずおさんはやいっ」
「焦って溢すなよ」
ぽふん、と頭に大きな手が置かれる。ああ、落ち着く。ふにゃり、笑顔を浮かべる。
「あー、おいしかった」
「今度は俺が店を紹介する番だな」
「ふふっ、きたいしておくわ」
―――同時刻、ツイッティア
[【速報】平和島静雄と××が西口公園でアイスクリームを食べていたわず【画像あり】]
「たのしかったわ」
「俺の方こそありがとう、な。楽しかった」
「このあと、ようじでも?」
「いや、何も。家で横になってくる」
「ごゆっくり」
静雄と別れて帰路につく。
……やっぱり気になるなぁ。
視線。視線。
物陰からシャッター音が聞こえる。
また画像…か。
…どうして人間ってやつは不快になることばかりやるのかしら。
「ま、もんだいないわよね」
これ以上騒ぎを起こされても面倒なので大人しく帰ることにした。
「お帰り、お姫さん」
「た、ただいまです、わっ!?」
足元を掬われ、転びそうになるが赤林の腕によってそれはなくなった。
「あっ、おりはらさん!」
「一週間振りくらいかねぇ。君を連れ戻しに来たところだよ。託児所じゃないってえのに」
「こどもあつかいしないでください!」
「ははっ、はいはい」
××はぷんぷんと怒りながらも臨也と手を繋いで帰って行った。
帰宅するなり臨也は××を押し倒す。
「ふ、ふぁ…っ」
抱きしめられ、深く口付けられる。手を繋ぎ合いながら優しく優しく執拗に。
「ぷはっ、は、ぁ…」
「ん…チョコミント味」
「でしょうね」
臨也の突発的な行動には慣れたもので、キスくらいでは驚かなくなってきていた。それもそうでどうかとは思うが…。
「××ちゃん、セックスしようか」
「まだひるまですし、いっしゅうかんまえにやったばかりじゃないですか」
「やりたいからやるの。良いでしょ?そういう契約だったもんね?」
「しかたないですね…」
流されるままにベッドで横になる。
「××ちゃんの癖にシズちゃんに会いに行くとか生意気」
「じゃあかわりにいってくれます?」
「やだ」
ちゅ、ちゅっ、とキスの雨を降らせて、啄むようなキスをする。
「…あれ、××ちゃん、胸大きくなった?」
「え、あー、いわれてみればたしかにすこしキツいかもです」
「明日は買い物だね」
「なんだかもうしわけない、きがします」
「気にしない、気にしない」
そっかー、俺が育てたのかー、なんて言いながら乳首を弄る臨也。ん、と身動ぎすれば楽しそうな表情。
「揉んだ方が良かった?」
「……!っ、」
「仕方ないなぁ」
やわやわと確かに大きくなった胸を揉まれ、小さく声を上げる。
「お楽しみはまだまだこれから、だよ」
あと何回やれば許してもらえるのだろうか。
そんな事をぼんやり考えながら襲い来る快楽に身を委ねた。
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