「何で君達が此処に居るのかな〜?」
「イザ兄の部屋広いんだもーん。お菓子出るし」
「美味」
「だからって…此処を溜まり場にするな!××ちゃん」
「ふぁ、はいいっ!?」

ズカズカと近寄り、××の腕を取って部屋を移動する。

「いざやさん、いたいです…」
「ああ、ごめんごめん。で?俺はてっきりファミレスにでも行くのかと思ってたけど?」
「それは、その…くーちゃんとまーちゃんがファミレスおちつかないって…だから…」
「理解はしたよ。でもそれで俺が納得すると思う?」
「…しません…」
「だよね?」
「でも…っ」
「そこのお二人〜、イチャついてないで〜」

舞流がひょっこりと姿を現し、話を遮った。

「××ちゃんは私達のものーっ!イザ兄、邪魔しないでっ!」
「此処、俺ん家なんだけど」
「っていうかイザ兄、お腹減った!露西亜寿司頼んでよ」
「は?嫌だね」
「おーすーしーっ!」
「うっさいな…取ればいいんだろ。××ちゃん、割引券持ってきて」
「は、はい!」

ばたばたと部屋を行き来して臨也に割引券を手渡す。

「ありがとう。戻ってて良いよ」

さらりと髪を梳かれてキスを落とされる。

「へへ…」

にへらと笑い、勉強会真っ只中な部屋へ追加のお菓子を持って行く。何処か足取りが軽やかだ。

「イザ兄と何話してたの?」
「んー、なんでもないよ。それよりべんきょうしないと、ね?」

質問を適当にいなす××。

「××ちゃんがそう言うなら、仕方ないなぁ」
「菓子、美味」
「くーちゃんもっ!」

参考書にラインを引いて、ノートに書き込んでいく。さらさら、カチ…、と紙にペンの擦れる音が聞こえる。

「そこにこのこうしきをあてはめて…」
「あー、そっかぁ。なるほどね〜」
「此処、違?」
「けいさんミスだよ。さいごのところ、ちがうだけ」
「理解」

何十分経っただろうか、ピンポーンとチャイムが部屋に鳴り響く。

「俺取ってくるから留守番してて」
「わかりました」

臨也が出前を受け取りに行っている間も尚、勉強会は続いていく。

「ちょっときゅうけいしようか…おちゃ、おかわりいれてくるね」
「ありがとーっ!」
「感謝」

こぽぽ、キッチンに漂う良いお茶の匂いに××も気分が上がる。ガチャガチャと玄関が騒がしい音がし、とてとてとそちらへ走って声を掛ける。

「いざやさん、もてますか?」
「ちょっと手伝って欲しいかな…、っと…」
「いまあけます」

ロックを解除して荷物を両手いっぱいに受け取った。

「これでよにんまえ、ですか」
「結構あるでしょ。あいつらの世話、ありがとう」
「せわだなんてそんな…」

首をぶんぶんと横に振って否定する。

「おい、お前ら。寿司食いたいなら取りに来い」
「わーい、おっすしー♪おっすしー♪」
「食、寿司」
「まーちゃん、しょうがとってー」
「了解っ!」

少し早い夕飯が繰り広げられた。
寿司の奪い合いというバトルが××の目の前で繰り広げられ、笑いながら制止をかけた。こんなに賑やかな食卓は久し振りだ。九瑠舞姉妹に感謝しなければならない。例え数日後に入試が迫っているのが現状だとしても。

「くーちゃん、まーちゃん、ありがとう」

にぱっ、と満面の笑みを浮かべて二人の額に口付けた。



勉強会、ハブられる部屋の主


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