真実
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背中を丸め、声を殺して泣く水夏は、
背後に立つその存在に気づいていなかった。
彼は指輪を握り締める両手にそっと触れ、
びくりと体を震わせた水夏を抱き締めた。
「今更何を言うん。
俺は初めから水夏の事好きやったで」
(────── !?)
「ゆうき…」
「ん?」
「ごめん…なさい…」
消え入りそうな声で謝る水夏。
侑希は水夏を抱き締めたまま頭を撫でた。
「何で謝るん?何も悪いことしてへんやん」
返事はなかった。
「水羽の事なら心配ないってゆうたやろ?
俺の言うこと、信じられへんかった?」
「でも…」
「水夏。こっち向いて?」
侑希が腕を放す。しかし水夏は俯くだけで
侑希の方を向こうとしない。
「み〜か?」
再び名前を呼ぶと、俯いたままだが、
ゆっくりと体を反転させた。
侑希は再び水夏を自分の腕の中におさめる。
「この結婚の事、水夏は俺との契約か何かやと
思てるかもしれんけど、俺はそんな事1度も
思たことないんやで」
水夏は驚いて顔をあげた。
「こんな風に泣かせてまうって分かってたら
早めに言うとくべきやったかな?」
「ちがっ…これは…」
「違わんやろ。俺に関係ない事で泣いとんの?」
そう言って涙をぬぐう。
「ただな…もしかしたら水夏はこの先
普通の恋愛をするかもしれん。
それを考えたら…今まで言えんかった」
侑希がこんな事を考えていたなんて、
水夏は思っても見なかった。
「プロポーズしたんは水夏の願いを
叶えるためだけやない。
水夏を手に入れる機会を、
俺が逃したくなかっただけや」
これが、出会ってから1年。
結婚生活が始まって3ヵ月。
初めて口にした、侑希の本音だった。
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