真実
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【side:侑希】

水夏と再会したのは、

宝祥が運ばれた病院で、だった。


「またこんなトコにおるんか?」


『母親の見舞いにきている』

と、言う割にはしょっちゅう抜け出して

中庭やら屋上やらで泣く女の子。


彼女は−沢木水夏−と名乗り、女子高生やった。

俺は何でか毎回この女の子探していた。


「どこにいたっていいでしょ」


素っ気なく言われてしまうと

「そやな」としか言いようがなくなり

しゃあなしで笑う。


でも必ず泣き止むまで付き合った。


そして、そんなやり取りが何回か続いた後、

彼女は再び自分の胸のうちを俺に明かした。


そう。実は俺が彼女に会うんは、

ここでの出会いが初めてやなかったんや。


「私、家を出たいんだ…」

「なんや?何かされとんか?」

「ううん。みんな優しい…」

「ほな、ええやん」

「…よくないから言ってんの」


あの時と同じやり取り。

でも俺に気づかへん彼女。


だから

あの時はできんかった提案を敢えてするわ。


「心配させんと家出れればええワケやろ?

 俺にエエ案があるけど、のる?」


あの時と今は違う。

俺は水夏にこう言った。


「自分さえよかったら、

 俺んトコにお嫁においでや」

「なッ…」


絶句した水夏の頭を撫で、俺は続けた。


「無理にとは言わへんけどな。

 俺ならその願いを叶えてやる事が出来る。

 水夏にその覚悟があれば、の話や」


別に同情してゆうたワケではなかったけど、

当然水夏は目を丸くしていた。


「まぁ、そういう選択肢もあるっちゅう事やな」


『ちょっと考えさせて』と、言った水夏が

その案にのると返事をくれたんは、


─── それから一週間後の事やった。




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